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アーサーは、渾身の力をこめサイコキャノンを撃ち放った。その一撃は魔王ルシファーの顎を砕き、頭を撃ち抜いた。そして、その傷口から今まで取り込んでいた人々の魂が噴き出してきた。村人、兵士、子ども、そして、プリンセスの魂も解放された。今やルシファーは、紅蓮の炎に包まれ消滅しようとしていた。もがき、あえぎ、慈悲を乞うこともなく、魔王の名に相応しく、玉座にじっと座ったままであった。やがて燃え盛る炎の中から断末魔の叫び声がした。
「私は死ぬのではない、地に下るだけだ。そして、三度甦りこの地に君臨してやる」
そう言いのこし、ルシファーは消滅した。

人々の魂は、ルシファーの体から解放され生き返ることができた。アーサーは、プリンセスとの再会を喜んだ。
「来てくれたのですね」
プリンセスは言葉をつまらせながら言った。アーサーは生きて再び会うことはできないと思っていたプリンセスをただ抱き締めるだけであった。アーサーの頭の中には、ルシファーの断末魔の叫び声がこだましていた。そして、アーサーは決意した。ルシファーが復活する前に、ルシファーを完全に消滅させることのできる「最強の武器」を探すことを。


アーサーはルシファー復活のことは告げずに旅立っていった。 なぜならサイコキャノンで消滅したルシファーが復活するには相当の時間を要するからだった。復活できたとしても何百年も先のことになる。ただ、いずれ復活するならば「最強の武器」を探しその日のために伝承していかなければならないと思ったからだ。
プリンセスは、アーサーの後ろ姿を見送りながら、いつの日かきっと帰ってくるアーサーのためにも、人々のためにも城・町の再建こそが急務と思った。そして、4年の月日が流れようとしていた。

その日、城の竣工式が執り行われようとしていた。人々は酒を酌み交わし「これこそが平和の象徴である」と、歓びあっていた。アーサーも近隣の国でその話を聞き、かけつけていた。プリンセスは、アーサーと再会でき二重の喜びだった。
「最強の武器は見つかったのですか」
「いや、手がかりすら見つかっておりません。しかし、必ずやこの手に収めてみせます。この城とプリンセスのためにも」
「また、行かれるのですね」と、プリンセスは寂しそうに言った。
アーサーは軽くうなずくだけだった。
「一国の王女がそんな寂しそうな顔をしていては民が不安がります。さぁ、笑って」
「………はい」と、寂しそうな笑顔で答えた。


と、そのとき、突如暗雲が垂れこめ日の光を遮った。
「まさか!」アーサーの頭の中に不吉な予感がよぎった。
暗雲は全天を覆い城は漆黒の闇に包まれ、地の底からは咆哮と言うべき地響きがした。そして、暗雲の中から、魔族が急襲をかけてきた。
「ばかな! ルシファーが復活するにはまだ時間が……」
そのときアーサーは、実感した。
「ルシファーではない。別の何者かが魔界を復活させたのだ」
「兵を呼べ、ここでプリンセスをお守りしろ。その中でついてこれると思う奴はついてこい、撃って出るぞ!」
そこで向き直り、「プリンセス、お任せください」
そう言って踵を返し敵に向かっていった。
プリンセスは、その後ろ姿をただ見守るだけであった。


アーサーは戦いながらあることに気づいた。
「敵の動きが妙だ、間を取り過ぎている。攻撃する意志がないような………しまった、はかったな!」
アーサーは、振り返り城を見た。魔族の大軍団が城を攻撃していた。アーサーは城へと取ってかえした。そして息も絶え絶えにプリンセスのもとにたどり着いた。しかし、時すでに遅く、プリンセスは魔物の小脇に抱えられ連れ去られようとしていた。
「今、攻撃すればプリンセスも傷つけてしまう」
アーサーは、なす術もなく立ちつくしていた。魔物は不気味な笑い声とともに暗雲の彼方へ飛び去っていった。

町は再び壊滅状態となった。アーサーは、その瓦礫の中に立ちすくんでいた。そして、あることを実感した。新たなる魔界は、地上を支配する前にその最大の障害となるアーサーを抹殺しようとしているのだと。そのためにプリンセスはさらわれてしまったのだ。アーサーをおびきよせる囮として。アーサーは、三度ヤリをとり、単身魔界へ乗り込んで行った。プリンセスを救うため、そして、今度こそ魔界を消滅させるために!

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