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株主・投資家向け情報

2010年6月29日(火) 第70期 定時株主総会
質疑応答
Q 7  任天堂本社の壁に朝、昼、夜に分けてディスプレイを展示されると、非常に効果があるのではないか。外国人もたくさん京都へお越しなので、景観に則したPRをしてはどうか。
A 7

岩田:

 任天堂の建物が何か物足りない、もっとディスプレイをしたらどうかということですが、京都では建物の壁に付けられる看板や広告物のサイズに制限があり、どんな表示でもできるわけではないんですね。また、電飾系の看板は京都では非常に厳しく制限を受けます。これは京都という町が歴史と伝統を非常に大切にするということで、京都で仕事をさせていただく以上、これを無視するわけには参りませんので、この地ではなかなか難しいとご理解ください。ただ、「任天堂はもっとアピールせよ」ということだと思いますので、アピールの方法についてはいろいろな場所で考えたいと思っております。

Q 8  たとえ良いものでも、知らない人は全く知らない。ニンテンドーDSやWiiについて、「こんなのがあって、こういう使い方があるんですよ」ということを、もっとPRしたほうがよいのではないか。周囲の人に勧められて「ニンテンドーDSを使って料理の腕が上がった」、「Wiiスポーツでマッサージセンターに行かなくてよくなった」、という話も聞く。人のたくさん集まる場所でPRしてはどうか。
A 8

岩田:

 「良いものでも知らない人は全く知らない」というのは、これはまさに当社最大の課題です。というのは、「ゲーム人口の拡大」には、ゲームをしておられない人にゲームをしていただくということが必要になるわけで、ここにやっぱり壁があるわけです。例えば、男性の方はテレビの宣伝で女性用化粧品の宣伝があったとして、それがどんなに盛んに宣伝されても、たぶんブランドも覚えられないし、その化粧品が一体美白なのか、それとも別の効果を持つものなのか、ということも全く認識できないと思うのです。それとちょうど同じことが、ゲームについても起こっています。ビデオゲームに興味のない方というのは、「こんな内容で、こんなに面白いんですよ」と、どれだけテレビで宣伝しようと、なかなか伝わりません。いわば、「ゲーム人口の拡大」の最大の障害は、人々の無関心なんですね。その無関心の枠を超えるための最大のポイントは、その方の身近な方、ご家族や、友人関係の方、親戚の方に勧めていただくことなんです。株主様がお話しになったのは、その典型の例です。そういうことが起こらないとなかなか、広がっていかないわけです。しかも、通常、口コミというものは、同じ年代の同じ性別の同じ組織、学校や職場に属する人たちの間では比較的起こりやすいのですが、それ以外のケースではなかなか世の中で起きないんですね。そこで任天堂が特に注目していますのは、家庭内で任天堂のゲーム機を触っていただく方が増えていくことです。家庭内には、年齢と性別の壁を越えて口コミが飛び火するチャンスがあるからです。例えば、家庭の中である方がゲームの面白さに気づかれて、遊んでいただくと、その周りのご家族が気づかれる。すると、「うちの旦那が最近こういうことを始めたんだけど、これ面白いのよ」、ということを奥様が周りに言ってくださるかもしれません。そのような形で、任天堂のゲーム機というのは、いくらかこの(年齢と性別の)壁を越えて参りました。それが、ニンテンドーDSやWiiが、かつてゲームをされなかった方にいくらか届いた理由なのです。今お話がありましたとおり、まだまだ我々の力が届いてないところがあると思います。これも、のべつ幕なしに、無限の予算をかけてPR活動をしますと、今度はPRのお金ばかりがかかって、それに対して販売がついてこないというバランスがありますので、効果的な方法を考えねばなりませんが、いかに実感を持って、ご興味をお持ちでない方に伝わる方法を考えるのかということは、当社にとって非常に重要な課題です。また、ニンテンドー3DSでも、テレビや新聞や雑誌では直接価値を伝えにくい「裸眼で3D映像が見られる」という部分で全く同じ問題がありますので、特にニンテンドー3DSの登場の時には、そういう体験の場をいろいろな場所で持つことを考えないといけないんだろうなと思います。ご要望ありがとうございました。

Q 9  先ほどスライドで新しいゲームソフトが流れていて、3DSも出ることなので、宮本さんのつくる新しいゲームは何かあるのかと期待してしまうが、その辺について教えていただきたい。
A 9

専務取締役 宮本 茂:

 正直なところ、3DSの立ち上げなどにいろいろと追われていまして、本当にゆっくり考えている時間がないのですが、突然思いつくんですね。だいたい、「もう締め切るよ」と言われて初めて閃きます。忙しい時のほうが思いつくことが多く、そういう意味では今、非常に良いコンディションという感じです。とりあえず、当面お約束している中では、ピクミンを早く仕上げないと、ということで、かなり順調に制作が進んでおります。それからE3で発表しましたnintendogsに今度、猫が出てきます。最近、猫を飼っていまして。自分の趣味をよく聞かれるのですけれども、それを話すと次のゲームのテーマが外部に知れてしまうので、「できるだけ趣味についてはしゃべるな」と、社長から言われておりますけれども。1年ほど前から猫の話をし始めたので、予定通り発表しました。間もなく猫の出てくるnintendogs+catsが完成します。また、まだまだ元気に、最近は水泳も一生懸命続けていますし、ご近所での青少年補導委員とかをしながら、小学生と交流したり、いろいろなことをしています。おそらく、また来年には新しいネタを届けられると思います。まだまだ現場で、現役でつくっていますので、期待して待っていただければと思います。ピクミンというキャラをつくってから、もう10年近くなりますので、そろそろまた新しいキャラクターをつくらないといけない年かなと思っています。とりあえず今日はこれくらいの回答に留めさせてください。


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