6. “カービィ愛”

岩田

じゃあ最後に11年ぶりに王道新作『カービィ』を
お届けするにあたって、みなさんからひと言ずつ
お客さんへメッセージをお願いします。
まずは山上さんからどうぞ。

山上

はい、僕は「4人カービィ」が
実現できてすごくうれしいんですが、
ハル研さんはそのほかにも、
細かなシーンにいっぱいこだわっているんです。
たとえば、自分のカービィのHPが減ったときに、
仲間が助けてくれるんですが、
HPをわけてくれる動作として、チュウをするんですよ。
そのシーンがかわいくて仕方がないんです!
ぜひ、複数プレイで遊んでチュウをしてください。
このかわいさ・・・これでもうみなさんイチコロです(笑)。
それから、やりこみ要素の「→パーツ探しの旅」は、
適度に長く、適度に難しいです。

岩田

探しものはやさしすぎず、
かといって難しすぎないバランスだと思います。
もうちょっとで取れそうなところにありますからね。

山上

適度な難易度感と複数人で遊んだときの細かな仕草を
みなさんに感じていただきたいなと思っています。

岩田

はい、服部さん。

服部

カービィは「何でもあり」という言葉が象徴するように、
だれが遊んでも平等に楽しめると思っています。
はじめましての方も、久しぶりな方も、
どちらの方にも楽しんでいただけると思います。
深く遊ぼうと思えばいくらでも深く遊べますし、
アクションが得意でない方も十分に楽しんでクリアできる、
絶妙なバランスになっていますので、
ぜひプレイしていただいて、その人なりのカービィ像を
新たに見つけていただければと思います。

岩田

はい。川瀬さん。

川瀬

ええ、 11年ぶりっていうこともありまして・・・。

岩田

はい(笑)。

川瀬

11年のあいだ、カービィをすぐにでも
お客さんに届けたいという気持ちがありながらも、
なかなか出せなかったことが本当に申し訳なかったですし、
社内でもすごく悔しい思いをした人たちがいっぱいいましたが、
今回、こうしてきちんと完成できました。
これからもハル研は、もっともっとチャレンジします。
そしてより多くのカービィタイトルを
リリースしていきたいと思います。

岩田

11年という時間が全部ムダだったわけではないですよね。
前の作品がなければ、
絶対に生まれなかったものができていますから。
では、熊崎さん。

熊崎

はい。久しぶりに吸い込みも、コピー能力も、
新しいコマンド技もたっぷりと楽しめる、
すごくパワーアップした王道カービィを存分に
楽しんでいただきたいと思っています。
オススメポイントですが、
わたしはボスをつくるのが大好きなのです。
とくにラスボス、クライマックスの盛り上がりは
「これでもかー!」という最高潮の展開を用意しています。

岩田

ボスを愛してやまないディレクターです(笑)。

熊崎

はい!(笑)
アクションゲームのキモは、
しかけとマップと、手強いボスとの戦いだと思っていますので。
先ほど話題に出たプログラマーと組んで
ラスボスをつくったのですが、
やりたかったことを出しきれたクライマックスを
演出することができました。
ですので最後まで遊んでいただけたら、
「ああ、燃えたー!」と熱く思えるような
展開が待っていますので、
ぜひ、ぜひ最後まで楽しんでください。

岩田

では、中野さん。

中野

はい。わたしがはじめて遊んだカービィが
『夢の泉の物語』で、それからカービィが好きになり
結果、ハル研究所で仕事をするようになりました。
そんなわたしが『カービィ』シリーズファンのひとりとして、
つぎは「こういうカービィを遊びたいなぁ」
とイメージしたものをどんどん入れることができ、
完成して「夢を叶えまくりました!」と感じています。
わたし以外にもこんな開発者はやっぱりいて
いい意味でのわるふざけやドキドキワクワクを
たくさんつめこみました。
そういったところをシリーズファンの方はもちろん、
たくさんのお客様に楽しんでいただければなぁと思います。

岩田

いやあ、みんな“カービィ愛”がすごいですね。
・・・感謝したくなるなぁ。

一同

(笑)

岩田

わたしがカービィをつくりはじめたころ、
すぐそばに幼稚園があって、
そこではじめてカービィの落書きを発見したとき、
忘れられないくらい感動したんです。
そのときはじめて、自分たちがつくったものが
世に認められていくことを味わったのかもしれません。
その感動があるから、自分にとって
カービィは特別な存在なんです。
でも、そう思っている自分の“カービィ愛”は
みなさんの足元にも及ばないんではないかと、
今日、話を訊いていて思いました。
では、最後に上武さん。

上武

はい。最初に「いつでもイン」の仕様を聞いたとき、
家族みんなでやりたい、という思いでつくってました。
しかも「いつでもイン、アウト」ができますから、
途中でパパやママが、入ったり抜けたりすることも簡単にできます。
ちょっと前から子どもが「ゲームを買って!」とねだるので、
「もう少ししたら買ってあげるから、待ってて」
なんて言いまして・・・。

一同

(笑)

熊崎

買ってあげるから、じゃなくて、
完成させるから、でしょ!

上武

ええ(笑)。
やっとプレゼントできます。
本当に、わたくしごとなんですが、
もうすぐ子どもといっしょに遊べることが、
すごい楽しみです!

一同

(爆笑)

岩田

完全に、わたくしごとになっていますね・・・。
まあ・・・これを自分に投影して
共感していただけたらと思います(笑)。
なんだか、今日の「社長が訊く」は
いつも以上にお客さん視点でしたね。
そこが非常に印象的でした。
ある意味、わたしの間接の教え子たちが
こういうものをつくっているということは
感慨深いものがあります。
11年分のいろいろな人の労力、血と汗が
ムダにならずに活きたものになったと思いますので、
少しでも興味のあるみなさんにさわってもらいたいです。
多分、その方の腕に合わせて、
楽しめるようにできていますから。
今日はおつかれさまでした。

一同

ありがとうございました。

岩田

完成してよかったねぇ。

一同

(全員ためいき)はあー。

中野

まだ・・・信じられないですけど(笑)。

一同

(笑)