社長が訊く
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うごく社長が訊く『ポケットモンスター X・Y』

うごく社長が訊く『ポケットモンスター X・Y』

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目次

はじめに

岩田

みなさん、こんにちは。任天堂の岩田です。

先日、「Pokémon Direct 2013.9.4」を放映しましたが、
その収録の際に、プロデューサーの石原さんと
ディレクターの増田さんは、
『ポケットモンスター X・Y』の新しい魅力について、
「Pokémon Direct」でお伝えしたほかにも、
たくさんのとても興味深い話をしてくれました。

そこで今回は、
いつもの「社長が訊く」とちょっと趣向を変えて、
「Pokémon Direct」のなかで紹介しきれなかった内容について、
ときおりインタビューの映像を交えつつ再編集し、
「うごく社長が訊く」として
ご紹介することにいたしました。

「社長が訊く」も気がつけば、200回以上続けてきましたが、
記事と映像を組み合わせる新しい試みとして、
ご覧いただければと思います。
よろしくお願いいたします。

1. シリーズ初の世界同時発売

シリーズ初の世界同時発売

シリーズ初の世界同時発売

※画面はすべて開発中のものです。

岩田

そもそも、今回は
長年目指してきた世界同時発売(※1)
シリーズではじめて実現することになりましたが、
石原さんはどんなお気持ちですか?

※1
世界同時発売=一部地域を除きます。

石原

まさしく長年の目標でしたので、
とても感無量です。
まあ、ひとことで「世界同時発売」と言いますけど、
もともと僕は、この開発がはじまったときは
「無理なんじゃないの?」
という気持ちだったんです(笑)。

岩田

言い出しっぺの石原さんも
最初は無理だと思っていたんですね(笑)。

増田

僕も最初は
「ほんとに大丈夫かな?」
と思っていましたから。

岩田

増田さんまでも?(笑)

増田

はい(笑)。

岩田

じつはわたしもそうなんです(笑)。

一同

(笑)

岩田

最初にその話を聞いたとき、
「えっ、本当にやるの!?」
と、担当者に聞き返したくらいですから。

石原

でも、開発の途中から
「できるんだ」と思うようになりました。
しかも、それぞれの国で、
それぞれの国の言語に合わせて
別々のゲームをつくるのではなく、
セブンインワン・・・
つまり日本語や英語、フランス語などの
7つの言語を1本のソフトのなかに入れて、
そのなかからお客さんが
好きな言語を選んで遊べるという
今回の『ポケットモンスター』ができたときは、
「自分を褒めてあげたいな」って・・・
いや、僕がやったわけじゃないんですけど(笑)。

岩田

あははは(笑)。

石原

でも、それくらい
「できた!」という達成感があって、
本当にうれしいです。

岩田

つくるのは大変だったでしょうけど、
セブンインワンにすることで
合理的な面もあったんですよね?

石原

そうですね。
これまではそれぞれの国の言語に合わせて
7本つくっていたのが、
今回は1本つくればいいわけですからね。

岩田

現場でつくっていた増田さんはどうですか?
そもそも『ポケットモンスター』というゲームで、
セブンインワンなんて、
とんでもないことじゃなかったですか?

増田

ええ。

岩田

なかでも最大のハードルは何でしたか?

増田

やっぱりシナリオです。
これまでは、まず日本語で書いて、
それを英語に翻訳してから
フランス語やドイツ語などの
各言語に訳すようなかたちだったんです。
でも今回は、日本語から直接
それぞれの言語に翻訳するようにしました。

岩田

まさに、“直接!”ですね(笑)

増田

はい(笑)。“直接!”でしたので、
かなりスピーディーに翻訳作業ができたと思います。

岩田

あと、『ポケットモンスター』の
新シリーズがつくられるときは、
新しいポケモンがたくさん登場しますので、
ポケモンの名前を決めるというのも
けっこう大変な仕事だったんじゃないですか?

増田

はい。チームには
ポケモンの名前を付けるスタッフがいるのですが、
泣きながらがんばっていました(笑)。

岩田

(笑)

増田

やっぱり、いろんな名前がつくられて
世の中には出尽くしていますので、
ポケモンの新しい名前を考えるというのは
すごく難しいことなんです。

岩田

それに、“名は体を表す”みたいに、
それぞれのポケモンに
ふさわしい名前を付ける必要があって、
しかも権利上の問題がないことが
求められるわけですからね。

増田

そうなんです。しかも今回は、
世界のどの国でも同じ名前のものを入れようということで、
担当者はすごく苦労したと思うんですけど、
できたときの達成感は半端じゃなかったと思います。

岩田

いい名前ができて、権利関係も
世界中でクリアできたときにはきっと・・・
(ガッツポーズしながら)こうなりますよね(笑)。

増田

はい(笑)。