ニンテンドーDS Conference! 2005.秋2005年10月5日(水)

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写真  次に、コンセプトの2つめのキーワード「あんしん」についてです。これは、精神面のハードルに対する解決策です。この問題は、従来のオンラインゲームが、どちらかと言うとゲームに時間とエネルギーをたくさん費やすことのできる熱心なゲームファンのコミュニティとして発展してきた背景から、あまり大きく報道されることはありませんでしたが、私達は、この問題の解決なくして、誰もが安心に参加できるコミュニティの構築はあり得ないと考えてきました。誰でも、自分が知らない人の集団に参加することには、多少なりとも心理的な抵抗があるものです。「どんな人なのかも判らないのに、一緒に遊んで楽しめるのだろうか」、「初心者の自分が入っていくとバカにされるのではないか」という心配をする方も少なくありません。また、ネットワークにつながったごく一部の心ない人に嫌がらせをされたり、暴言を浴びせられたりした経験を、インターネットの掲示板などで目にされている方も多いと思います。これは、インターネットの持つ匿名性と表裏一体の解決が難しい問題です。
写真  そこで、私達は、友達とだけつながる、言い換えれば友達しかコミュニティ上に見えなくなる仕組みを提供することにしました。これは、mixiなどのソーシャルネットワーキングサービスの概念にも通じる考え方です。 直接向かい合って通信したことのある友達同士は、自動的にWi-Fiコネクションの中でも友達同士として認識されるようになっています。直接会うことのできない友達同士は、事前に個々のユーザー固有のフレンドコードという12桁の数字を交換し合って入力しておけば、それもWi-Fiコネクションの世界の中で、友達として認識されます。
写真  これをどのように使うかは、ゲーム設計者に委ねられます。ゲームによっては、友達とだけに閉じたコミュニティの方が向いていますし、逆に世界の誰とでもつながることが面白さを引き出すゲームもあるでしょう。 年内に投入予定の任天堂タイトルで例を挙げますと、「どうぶつの森」では、お互いに村を行き来して、相手の村の中で自由度の高い行動をし、自由に入力したメッセージの交換などもしますので、友達同士での通信を前提としています。知らない他人に村を破壊的にいたずらされたり、テキストメッセージで嫌がらせをされたりしてはあんしんと呼べないからです。一方、マリオカートでは、「ともだちと」「こくないのだれかと」「せかいのだれとでも」「ライバルと」というように、対戦相手を選ぶ機能があります。マリオカートでは、テキストメッセージのやりとりなどがなく、ゲームも短時間のレースで見知らぬ人とのレースもまた一つの魅力になると考えています。
写真  コンセプトのキーワードの最後は「無料」です。どんなに魅力的なサービスを準備しても、最後のハードルになるのは、経済的なハードルです。

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