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2006年12月7日 日本外国特派員協会 社長スピーチ概要  
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さて、足下の話はこれくらいにして、最後に、これから我々が目指すものについてお話ししたいと思います。任天堂のゲーム人口拡大戦略が、今日のように市場で受け入れられたことは、私たち自身の予想さえも超えるものですが、では、Wiiを発売した今、次に何を目指すのかということです。
まず、はっきりしていることは、「ゲーム人口拡大」へのチャンレンジは、これからもまだ続くということです。先行して、破壊的な市場の変化があった日本だけでなく、これから欧米でもDSが本格普及期に入ります。おそらく、DSビジネスは2007年も拡大できるでしょう。そして、最終的には、GBAを超える普及を目指していきます。そのためには、Touch! Generationsで実現したような、ゲームの定義を広げてDSが生活の中に浸透する新しい娯楽の提案を、さらに発展させる必要があると考えています。
そのことが、最終的には、DSを一家に1台から一人に1台への普及に近づけることにつながり、私たちは、これにチャレンジしていくことになります。今でも、一家に複数台のDSを所有していただいていることは決して珍しくないのですが、本当に一人一人が持つ意味を作り出さない限り、この流れはできないと思います。そして、年末までには1400万台を超える見込みで普及ペースの記録を更新し続けている日本では、ゲームプラットフォームとして史上最大の普及を目指していきます。北米ではゲームボーイアドバンスからDSへの移行がこれから本格化するため、アドバンスからのシフトを積極的にサポートし、市場のスケールにあわせた本格的普及段階へ移行させることを目指します。欧州は、日本で今年経験した爆発的普及に近い水準に到達していますので、如何にその勢いを維持して、本当に幅広い潜在顧客の需要を顕在化できるかどうかが、雪崩をうって市場の破壊的変革を実現できるかどうかの鍵になります。
Wiiについては、決して少なくはない初期出荷分が、日米ですぐに完売となるなど、非常に好調な出足となりましたが、ゲーム機が最初に勢いよく売れるのはいつものこととも言えます。むしろ今後、この初期需要の後でも、勢いを維持することができるかどうかが重要だと考えています。そのためには、据置型のWiiでも、DSと同じようにゲーム人口拡大を実現しなければなりません。Wiiリモコンによるインターフェースの刷新により、違いをご理解していただくことが容易で、幅広い人にとって受け入れ易いという特徴はあるのですが、どこにでも持っていって周りの人に見せることができたDSと異なり、Wiiは持ち運んで人に見せることができませんから、まず、家庭内のユーザー数を如何に増やすかということがターゲットとなります。今家庭内にはゲームをする人としない人がいるというのがほとんどでしょうが、家庭内のゲームを触る人と触らない人の間にある壁を壊して、ゲームと無縁だった人達にも参加してもらうことで、家庭内ユーザー数を増やしていきます。
そのための仕掛けが、このチャンネルと呼ぶ仕組みです。
従来のようにゲームを楽しむことはもちろん、バーチャルコンソールとしてインターネット経由でダウンロード販売する過去のゲーム機のクラシックゲームや、似顔絵を作ったり、デジカメの写真の表示、天気予報、ニュース、インターネットなどを楽しむ機能があります。Wiiでは、このそれぞれの機能をチャンネルという名前で呼んでいます。
今日は時間の制限もあって、これ以上詳しくお話しできませんが、当社のホームページに9月の発表会の様子が詳しく掲載されており、ここにこのチャンネルについては詳しく掲載されていますので、ご興味があれば、ご覧ください。
このような仕組みを用意しているのは、どうすれば据置型ゲームが、「家族全員にとって関係のある存在」になることができるのか、どうすれば毎日電源を入れてもらうことができるのか、ということを考え抜いた結果です。ゲーム機がこのような提案をしていくとなると、もう単純な娯楽の提案ではなく、新たなライフスタイルの提案ということになると思います。私たちは、「Wiiのある新しい生活」を提案していきます。そのためには、多彩なソフトとチャンネルを展開し、ゲームの定義を更に広げていくことが必要になると考えています。例えば、既に「ヘルスパック」という名称でお話ししていますが、毎日の健康管理に役立つソフトをWiiで実現することができれば、家族全員にとって関係があり、かつ毎日電源を入れてもらうという目標が自然と実現できるのではないかと考えています。「Wiiのある新しい生活」が世界中で受け入れられるまで、チャレンジを続けていきたいと思っています。
本日はどうもありがとうございました。
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