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2010年10月29日(金)経営方針説明会 / 第2四半期(中間)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

これは、メディアクリエイトさんのデータに基づく、日本市場の据置型ハードの販売状況を示すグラフです。
今年に入ってからしばらくの間は、昨年以上のペースで推移しましたが、昨年秋にハードの値下げなどで盛り上がりがあった時期に比べると、直近の販売数は低い水準になっています。特に、直近のWiiの販売ペースは特に低くなっており、発売以来最も低い水準になっていますが、この背景には、来月、Wiiリモコンプラスを同梱したパッケージへ変更することを、今月前半にアナウンスしたことも影響していると思います。ただし原因はどうであれ、現在の水準は低く、年末に向けて状況を変えなければならない状況です。


これは、日本における今年1月から直近週までの、据置型ハード販売数の過去3年間の推移です。
昨年、Wiiの落ち込みが大きくクローズアップされましたが、ここまでのところは、今年は、昨年対比で若干のプラスになっています。PS3も昨年に対して伸びています。この結果、今年は、Wiiの市場シェアが46%、PS3が45%とほぼ拮抗しています。
どちらのハードも年の前半の好調さで昨年実績をクリアしている状況ではありますが、昨年の年末のように、新たにハードを牽引するダブルミリオン級以上のソフトの発売が予定されているわけではありませんので、先行きは楽観できません。


こちらは、日本の据置型ソフトの販売本数の推移です。
現在の日本の据置型ソフト市場は、アメリカやヨーロッパの市場と比較して市場規模が小さいんですけれども、今年は、昨年と異なり、対前年比でプラスになっています。


据置型でのWiiのソフトシェアは若干あがって50%、PS3はPS2の減少分をカバーして大きく伸ばし42%になりました。


続いて、携帯型の市場についてお話しします。
こちらは、日本の携帯型ハードの販売状況の推移です。DSについては、昨年夏の『ドラゴンクエストIX』や『トモダチコレクション』に相当するような、ハードを強力に牽引するソフトがなかったこともあり、9月中旬までDSハードが前年を下回る状況が続いていました。しかし、史上最速のペースでの販売が続いている『ポケットモンスターブラック・ホワイト』の発売によって、ハードの状況も変わってきていることがわかります。
日本は世界でも最も速く新しい商品に向けて需要がシフトしやすい市場でもあるため、ニンテンドー3DS発表の影響も受けていると考えられます。


これは、日本市場における2008年から2010年までの1月から直近週までの携帯型ハードの販売台数を比較したものです。
先ほどお話したように、9月の『ポケットモンスター』最新作発売まで、DSハードは前年に比べて販売ペースが落ちていましたので、DSハードは前年対比でマイナスになっています。


これは、日本市場におけるソフトの販売本数の推移を3年間同時期で比較したものです。
先ほどもお話ししたように、昨年は、この時期までに複数のヒット作が市場を牽引していましたが、今年は『ポケットモンスターブラック・ホワイト』まで、DSに大ヒットソフトがなかったことも影響して、前年実績を割り込んでいます。これに対してPSPは、海外市場と異なり、多くの新作タイトルがリリースされる独自の市場環境となっており、前年実績を上回る推移となっています。


そのような背景もあって、携帯型の中でのDSのソフトシェアは、下がってしまいました。アメリカやヨーロッパでは、ほぼ8割以上のシェアがありますので、日本だけは、携帯型ソフト市場は大きく異なる状況になっています。


これは、日本の据置型・携帯型を合わせたソフト全体の販売本数の推移です。
昨年と対照的に、市場全体は昨年対比若干のプラスとなっています。


ソフト全体を3社のハードメーカー別のシェアの推移で見ますと、DSソフトの販売数が減少したことも影響して、任天堂プラットフォームのシェアは前年を下回る状況です。



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