株主・投資家向け情報

2013年10月31日(木) 第2四半期決算説明会
質疑応答
Q 7

 岩田社長がアメリカの市場を直轄するようになったが、それ以前と比べての気づきのポイントや、どんな改善を今後の成長に向けてやれるのかといった点を教えてほしい。

A 7

岩田:

 以前は社内で海外本部という部門が独立して存在していたのですが、今は海外市場のビジネスの直轄担当が私であり、アメリカでは米国任天堂のCEOを兼務しています。米国任天堂のCEOは、以前は隣席している君島が担当していたのですが、日本に戻ることになり、「CEOのポジションは、しばらく自分で担当する」ということを宣言して今に至っています。CEOになりアメリカに出張する機会も増え、ミーティングをする人たちも今までよりも幅広くなりましたので、アメリカのことが、これまで以上によく見えるようになりました。

 私たちは今、いろいろな意味で環境の大きな変わり目にあり、特にビジネスのデジタル化がそれにあたります。米国任天堂は任天堂の全販売組織の中で、物流を含めて従来のパッケージソフトを売るという意味で、最も完成度の高い組織だと思います。しかし、完成度が高いというのは、逆に言えば、環境が急変すると、部分的に「裏返し」になる場合もあります。環境の変化への対応を一気に進めていく上では、「任天堂が世界中のいろいろなところで体験したことのベストプラクティス(一番うまくいったこと)を上手に各国に素早く取り入れてPDCA(※)を回していくか」ということが販売組織の重要な課題です。米国任天堂においては、自分たちの良さを活かしながら、時代の変化に合わせるために、例えば「日本でこんなことをやったらこんなことがうまくいった」「ヨーロッパでこんなことをやったらこんなことがうまくいった」といった他国で得られた知見を早く反映していくことについて、今まで間接的にやり取りしていたとき以上にスピードが出てきたと思います。その結果を是非、年末には証明したいと思います。

※PDCA:仮説検証サイクル。「Plan」(計画)、「Do」(実行)、「Check」(評価)、「Act」(改善)を一つのサイクルとして繰り返し行うこと。

Q 8

 従業員数がこの4〜5年で4000人から5000人ぐらいに拡大し、研究開発費も今期過去最高になる見込みだが、その間に売上高はおおよそ半減している状況である。今後のコストカット、人員削減についてコメントしてほしい。

A 8

岩田:

 任天堂の業績が再び向上する可能性が無いと判断すれば、そのビジネス規模に合わせて従業員の構造、会社の構造そのものの見直しというのが必要になるというご指摘はそのとおりかと思います。一方で、ゲームビジネスというのは浮き沈みがある中で、任天堂の今のビジネススケールよりももっと大きなビジネス展開が可能で、それを実現していくためには開発陣容も、ローカライズをする能力も、そして海外で販売していく能力も必要だと思っています。「ぜい肉の無い筋肉質の会社でなければならない」「効率的に経費を使う会社でなければならない」と思いますが、「コストカットをしなければならないので、即座に人の構成を考え直す」という考えは持っていません。これは将来のビジネスの展望について、決して暗い未来をイメージしていないからだとお考えいただきたいと思います。

Q 9

 先月、山内前社長がお亡くなりになり、株式市場は保有されていた御社株の今後の動向に注目している。最終的には引き継がれる遺族の方が決めることだが、会社側からの提案や相談について、考え方を教えてほしい。

A 9

岩田:

 現時点ではまだ四十九日の法要前ですので、「具体的にこうします」と申し上げられることはありません。昨日の大阪証券取引所での決算記者発表のときにも同じ質問があり、そのときにも申し上げたのですが、「ご遺族の方からお申し出があれば、相続に関して会社で協力できることがあればしたい」と思っています。また、株主様全体の利益にとって良いように、株式がいきなり市場に大量に放出されて株価が乱れてしまうというようなことがないよう、私たちとしてはご協力したいと思っています。ただ、こればかりはまずはご遺族の方からお話をいただくことが先ですし、ご遺族の方は四十九日の法要を済まされる前にそのようなお話はされないと理解していますので、その旨ご理解ください。皆様にご迷惑がかからないように、会社としてできることはしっかりやりたいと思いますし、また、会社はそれが可能な財務体質を持っていると理解しています。


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