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株主・投資家向け情報

2016年6月29日(水)第76期 定時株主総会 質疑応答
質疑応答
Q 10

株主総会について要望したい。株主は投資家と任天堂のファンに大きく分かれており、株主総会での質問も収支報告や任天堂の体制についての質問とゲームの内容についての質問とに大きく二つに分かれている。質疑応答を第1部、第2部と分けて、第1部を収支報告、任天堂の体制、株価等についての質問、第2部をゲームに関する質問とするほうがメリハリがつくのではないか。私も任天堂のファンであり、どちらかというとゲームの質問がしたいので、株主総会は第1部で打ち切ってしまい、ゲームファンだけ集まって質問するコーナーを延長戦として設けてもよいと思う。

A 10

君島:

 株主様のご要望は、私たちのゲームを大変愛していただいており、ゲームの内容についてもっと情報を提供する場面を株主総会でもつくってほしいということかと思います。前々回の株主総会で私が回答させていただいたとおり、株主総会で株主様と会社の役員がいろいろとコミュニケーションを図ることは、会社を今後発展させ株主様のご要望にお応えしていくために大変重要であると思っています。ご参加いただいている株主様の中には会社の経営内容に関して投資家の視点からご質問がある方もおられると思いますし、こういうことを(ゲームファンの株主様にも)お耳に入れていただける大変重要な機会だと思います。株主様のご要望は、任天堂の製品に関してもっと情報提供してほしいということだと理解しましたので、今後どのようなことができるか今すぐにはお答えできませんが、情報提供の機会をより多くすることを検討させていただきます。

Q 11

NXの生産の考え方について聞きたい。最近中国で組立工の人件費がかなり上がってきていると聞く。先月(5月)の末には台湾の鴻海(ホンハイ)という受託生産会社が5万人をリストラしてロボットに置き換えるというニュースがあった。例えば、ゲーム機にはどうしても5年間のライフサイクルがあり、ちょうどその5年前に設計した製品を見ると「これ、ロボットでつくると大変そうだな」というものが御社の製品でも他社の製品でも見られる。今後、たぶんNXが来年に出て、5年のライフサイクルで2020年頃、かなりそういった自動生産という形に変わっていくだろうと予測され、任天堂が今後もファブレスで生産を委託していくという中で、生産のトレンドというものをどのように考え、つくりやすさとかコストというものに対してどう取り組んでいるのかについて、聞かせてほしい。

A 11

取締役製造本部長 進士仁一:

 中国の人件費について、確かに、この10年ぐらいのスパンで見たときに、人件費は相当高騰しています。中国以外のASEAN各国でもいくらかの上昇が見られ、中国だけ上がっているというわけではありませんが、その中でも中国が目立っているのは間違いありません。

 その中国の人件費の高騰に対して、自動化という話がありました。自動化というとロボットをイメージしてしまいますが、日本では昔から製造業で行われている自動化の努力、これが中国でも今進んでいるという解釈をしていただいたほうがよいと思います。鴻海さんの話については、任天堂の製品を生産している工場での話ではありませんので、詳細はコメントできませんが、鴻海さんは、コスト削減を進めていく上での努力として、ロボットを活用した自動化をどんどん推進されています。決してこれによって人が減ることに直結するのではなく、より生産性を上げるために人を使うという循環だと思っています。中国各工場の人件費高騰への対応として、今、自動化による生産性向上がどんどん進められているという環境にあります。

 そのような環境の中で当社製品の生産についてですが、単純な構造で毎月同じ数量を生産し続けていく自動化というのは、比較的容易に導入できる一方で、当社の製品のように複雑で、生産数量の変動が激しいものに対して、「どこをどういう形で自動化するのがより効果的で、より変動に耐え得るか」ということを研究し続けています。取引先である製造委託先の方と密にコミュニケーションをとり続けているのが現状です。NXの生産は準備をしているところで、この自動化においても、どこまでできるのかという議論を重ねていますので、その中で最適な状況を作り上げていきたいと思います。

Q 12

最近、任天堂はIPの活用を推進しており、映画を任天堂自らで制作するというような論調の記事も出たりしているが、カネはともかく、人材はどうするのか。今後のIP活用やNXなどを含む新規取り組みにおける人材リソースについてどのように考えているのか聞かせてほしい。

A 12

君島:

 まず、映像事業についてですが、映画事業というよりも、映像をつくっていく中で任天堂IPをいかに活用していくかといったIP活用の一環で進めていきたいということです。また、参画していただけるパートナーがいらっしゃれば交渉していきますし、実際にご興味を持っていただけているパートナーもたくさんいらっしゃることについてはこれまで皆様にお話ししています。人材は最も重要な経営資源でありますので、能力開発につながる機会を提供して、個々の社員が成長していくことは大事ですが、まったく新しい分野に携わる場合には、外部のパートナーといかに上手に付き合っていくかが重要だと思います。この点については、IPの事業化、IP活用の拡大において、企画、制作の方面から携わっている専務の宮本からも一言説明させていただきます。

宮本:

 映像コンテンツは本当に面白いジャンルだと思っています。任天堂がこれからゲーム機に限らず、キャラクター資産を有効に活かして世の中で忘れられないものになり続けることは非常に重要なことです。任天堂が多様なキャラクター群を保有していることについて、一社が多くのキャラクターのすべての権利を持っているというような例は他にないといった評価をいただいています。誤解を避けるために申し上げますが、映画を制作するとは発表していません。映像などさまざまな展開をしていくということをお話ししていまして、正式にくわしいことはまだ何もお話ししていません。ただ、任天堂IPを有効に活かした事業の一つに映像は含まれると思います。映像コンテンツについて、私は3年前に『ピクミン』のショートムービーという20分ぐらいの映像をつくり、最近では『スターフォックス ゼロ』の15分のPRムービーをつくりましたが、映像制作会社の方々とお付き合いしながら制作してきました。映像づくりはほとんど社外の方々の知恵や力を借りながら制作できます。先ほど申し上げた2本については、任天堂からはほとんど私1人で制作してきました。任天堂は本来もっと多くの商品をつくらないといけないのですが、会社を無理に大きくすると社員を育てきれないという課題をずっと抱えています。映像コンテンツ以外にUniversal Parks & Resortsさんと基本合意をしてテーマパーク事業に任天堂のキャラクターを提供するということも始めていますが、私はこういう社外の開発のみなさんと一緒に仕事をして、任天堂の商品数を増やす方向に積極的に動いているところです。結果が出るには時間がかかりますが、ご期待いただければと思います。

君島:

 専務の宮本のほうからご説明したとおりですが、リソースについて、例えばスマートデバイスにおいてはDeNAさんと業務提携をしており、DeNAさんのノウハウも私たちのビジネスに活かしていただいていますし、今後新たなプロジェクトをいろいろと立ち上げていきますが、必ずしも社内の人材だけではなく、良きパートナーがいらっしゃれば、サポートしていただきながら、掲げているプロジェクトを前向きに進めていきたいと考えています。

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