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株主・投資家向け情報

2016年6月29日(水)第76期 定時株主総会 質疑応答
質疑応答
Q 13

私は元社長の山内溥氏のファンだが、山内氏は、ものづくりとか商品は本物か偽物かということが一番大事だと強くおっしゃっていた。その意味で、任天堂は他社とは違うものをつくるという独創性を大事にしていると思うし、山内氏も「任天堂は、他人の力を当てにせず、任天堂の力でやる」とおっしゃっていた印象があるが、DeNAさんと提携することに副作用はないのか。

A 13

君島:

 まず、他社と異なる独創的なものをつくり続けていかないといけないということは、私たちの経営方針の中にもしっかり盛り込んであり、それは引き続き一番大切なものだと思っていることをご理解ください。あわせまして、山内の言葉をよく覚えておいていただき、大変ありがとうございます。

 DeNAさんとの提携にかかわらず、「新しいものを創造する」という大事なことは私たちがもちろんやっていかなければなりません。一方で、それをお客様に届けるときの方法や届けたあとのお客様の反応をどのように理解したらよいかといった分析のノウハウなどについては、DeNAさんが非常に良い技術や今までの経験を持っておられます。お客様からのフィードバックを踏まえ、より独創的なものがつくれると理解しています。その点から、今回のDeNAさんとの業務提携は、ご意見を賜った「独創的なものをつくる」ことに対してマイナスではなくプラスの方向に働くものと確信していますので、どうかご理解いただければと思います。

Q 14

今期の業績予想について聞きたい。今期はWii Uが事実上の撤退でハードの予想販売台数が80万台、3DSもピークアウトで少し予想販売台数を減らしている中で、営業利益だけが前期よりも1.5倍の450億円という数字の信ぴょう性が低く、年末年始あたりで大幅な下方修正やNXの発売延期が出るのではないかという予感がするので、この450億円という数字の具体的な根拠や内訳を可能な範囲で教えてほしい。

A 14

君島:

 ニンテンドー3DSのビジネスは、ハードの全世界累計販売台数が既に5800万台を超えていますので、今後、発売を予定しているソフトタイトルをお届けできれば、ニンテンドー3DSのビジネスで十分に収益を上げられると考えています。特にシリーズ1作目の発売から20年を迎え、世界累計販売本数2億本を突破した『ポケットモンスター』シリーズの最新作である『ポケットモンスター サン・ムーン』の発売を2016年11月に予定しており、大きく収益貢献してくれると考えています。

 Wii Uは今期のハード出荷予定台数を80万台と発表していますが、一方で今期の売上高全体の予想額は前期とほぼ横ばいの5000億円としました。現段階で具体的な販売台数そのものについてはお話しできませんが、NXがWii Uの販売台数の減少をカバーできるような計画を立てており、また、NXのソフトも売上や収益に貢献します。

 また、スマートデバイスアプリを来年3月までに(『Miitomo』を含めて)5本程度配信する予定で準備をしていますので、スマートデバイスのビジネスでも収益貢献を見込んでいます。

 ただ、注意しないといけないのは、EUからイギリスが離脱するという問題です。今後、為替相場がどうなるかはまだよくわからないですが、もし円高がこのような状態で続けば、海外売上高が全体の7割以上を占める当社においては、売上高や利益の面で影響を受ける可能性があります。

Q 15

任天堂ビジネスの一番の核であるゲーム産業において、今最大の問題というのは1本のソフトにかかる開発費の高騰と開発期間の長期化があると考えているが、この問題に対してどう挑もうとしているのか。

A 15

君島:

 確かにここ10年ぐらいの間にゲームソフトの開発コストは増大してきています。「お客様に受け入れられるゲームを、いかに受け入れられる規模に見合ったものにつくれるか」というのは算式で簡単に出るものではありませんので大変難しいところですが、それをきちんと念頭に置きながら開発をしていくことが、これからますます重要になってくると思います。

専務取締役技術フェロー 竹田玄洋:

 長い間、ゲームのコンピューター性能というものは、お客様の楽しさのためだけに使われるべきだとされてきましたが、ゲームソフトをつくるときの生産性向上のためにも、性能を使う時代が来たということが一般論で考えられると思います。ただ、メリハリをどうつけるかということが一番重要ですから、そういうメリハリをつけながらソフト開発の生産性を上げるのに、長い間苦労してきた宮本にこれ以上の説明のバトンを渡したいと思います。

宮本:

 どこでメリハリをつけるかという点においては、重厚になりすぎないつくり方も大事ですが、「いかにたくさん売れるソフトをつくるか?」しかありません。私たちのビジネスはどこかで大ヒットするものがあるから、それらが他の失敗を支え、また別のチャレンジができるということになります。その意味では、少なくとも200万本単位で売れるソフトをつくるというのが基本だと思います。日本だけでソフトを販売し、30万本程度の販売では、全然コストを回収できないので、グローバルマーケットを基準にしています。

高橋:

 メリハリという言葉がキーワードだと私も思っています。たくさんの時間や人をかける必要のあるものやかけなくてもできるもの、また、いわゆる一般的に使われているようなゲームエンジンを使う方法や、社内でつくっているゲームエンジンを多くの人に使いやすくするという方法など、いろいろあると思っています。NXに向けては、そういうことを踏まえながら、さまざまな開発手法を考えている状況です。

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