任天堂ブランドを守る任天堂ブランドを守る

先読みして、戦略を立てる

任天堂から生み出されるゲームやキャラクターの数々は、とても大切な知的財産で、一般に「IP(Intellectual Property)」とも呼ばれています。IPを創り出し、それを育てていくなかで、IPを守ることも同じくらい重要になります。私はIPの中でもとりわけ「商標権」について、主担当として携わってきました。長年築き上げられた任天堂ブランドを守るため、国内だけでなくグローバルでの戦略を立てて積極的に商標権を取得する出願業務を担当するとともに、第三者によって、当社の商標が意図しない形で利用され、商標が権利化されることを防ぐための不正出願対策業務にも取り組んでいます。

まず商標出願については、日本だけでなくさまざまな国を出願の対象としています。商標登録することで、その国において、その名称やロゴを独占的に使用することができるだけでなく、他人による不正な使用等に対する武器にもなり得ます。出願する際、ゲーム分野は当然として、それ以外の分野で使用する可能性、例えばゲームソフトに関連したマーチャンダイズグッズが展開される可能性も考慮して出願戦略を立てる必要があります。使用する可能性のあるすべての分野(区分)で登録できれば理想なのですが、区分数に応じて出願費用が増加するのが一般的なため、すべての商標について、すべての区分で出願すると膨大なコストがかかってしまいます。そこで、その商標がゲームの世界に留まることなく、おもちゃやグッズなど、さまざまな分野で幅広い展開を見せることになるのかを、関連部署とも連携して情報収集したり、これまでの経験に基づいてビジネスプランを先読みしたりして、どの分野で登録するのがベストかを常に意識しながら出願計画を立てるように心がけています。

なお、商標権を取得しただけでは、任天堂ブランドを守るという目的は達成できません。取得した権利をもとに、第三者によって当社商標が意図しない形で利用されることを防止する必要もあります。任天堂はグローバル展開をしているため、日本だけでなくさまざまな国や地域での第三者による商標出願や商標の利用をウォッチングし、各国の海外子会社のリーガルチームや弁護士などの専門家と協力しながら、適切な対策を講じています。

amiibo(マリオ)の立体商標の登録証(抜粋)

迷ったときは原点に立ち返る

当然ながら、国や地域によって法律制度は異なりますし、案件ごとの特別な事情なども存在するので、ケースバイケースでの対応が求められます。ひとつの案件の対応に四苦八苦している最中に、新たな案件が飛び込んでくることも珍しいことではありません。任天堂以外の第三者が任天堂の商標と似たような商標について商標出願しても、通常は審査で認められることはありません。ところが、審査官の判断によっては任天堂の商標に似た商標であっても審査を通ってしまうケースもあります。また、任天堂の商標を意識して作られたと思われるものの、法的な観点からは「似ている」とは断定しづらいような商標が出願されることも多く、その都度、最善の対応策を検討していく必要があります。そこで、方針を考えるにあたり、先輩や現地の弁護士に相談して意見を聞いたり、過去の類似する案件での対応を見返したりしています。もちろんそれらとまったく同じやり方が常に通用するということではありませんが、ある程度の見通しを立てる上での足がかりにはなります。

それでも判断に迷うことはたくさんありますし、最終的に自分の選択した判断が正しかったのか、もっと他にいい解決方法があったのではないかと葛藤することも少なくありません。ですが、そのようなときは常に「任天堂ブランドを守る」という目的を達成するためにはどうすればいいのか、という原点に立ち返ることで、狭まっていた視野を再び広げられるとともに、進むべき道が見えてくると考えています。私の業務は直接お客様の目に見えるものではありませんが、自分が関与した新しい商品がお店に並び、それを手にしたお客様が喜んでくださっているのを見ると、安心して商品を購入いただけていることへの喜びや、引き続き「任天堂ブランド」を守っていかなければならない責任を感じるとともに、自分の携わっている仕事が商品を作って販売するうえでの一助になっていることにやりがいを感じます。

社員略歴

永本 康介知的財産部/2018年 入社
2018年「事務系」入社。
主に商標・著作権の業務を担当。任天堂製品が他社の権利を侵害していないかのクリアランス、商標権の取得、およびそれを用いての第三者商標出願への対応などを行っている。
職種

↑