旗振り役になってベクトルを揃える旗振り役になってベクトルを揃える

「My Nintendo Store」を大幅リニューアル

「My Nintendo Store」は、ゲームもグッズも取り扱っている任天堂公式のオンラインストアです。2017年1月にNintendo Switchの予約を受け付けることからスタートし、パッケージのゲームソフトや周辺機器などの物理的な商品だけでなく、ダウンロード版のゲームソフトなどのデジタル商品の販売も扱っていました。ただ当初は、物理的な商品と、デジタルの商品を同時に購入することができませんでした。そこで、お客様の利便性を向上するために、物理的な商品とデジタルの商品を同時に購入できるよう、大幅なリニューアルを行うことになりました。

一般的なECサイトでは、物理的な商品とデジタルの商品を同時に扱う例はあまりなく、「My Nintendo Store」のリニューアルは大きなチャレンジでもありました。このプロジェクトに関係する人は、開発部門だけでなく営業部門や外部の協力会社様などさまざまで、私は関係者間の調整を担当することになりました。仕事を進める中で困難だったことは、それぞれの関係者が「My Nintendo Store」の販売の仕組みに対する要求に違いがあり、実現したい内容も大きく異なるなど、あちらを立てればこちらが立たず、という状態が少なくなかったことです。

人と会話をして、わかり合えた瞬間にこそ

コーディネーションの仕事は、利害関係者に認識の違いがあったときに、それを調整することが大きな役目になります。関係者はそれぞれの立場での要望を持っていますが、各関係者の要望が相反する内容になることは少なくありません。そのままではリニューアルの実現を進めることができないため、どうすればよいかを考える必要があります。このとき私は、エンジニアには設計や実装に集中をしてもらえるように、複雑に絡み合った要件をすべて巻き取って仕様を検討するようにしました。具体的には、各関係者のさまざまな要望をヒアリングしたうえで、複数の案を検討して提示し、どの案が適切かを改めて関係者と協議して仕様を固めていくようにしました。幸い、私は、以前に別の仕事で販売の仕組み作りに関わっていた経験があり、どのような手段であれば要望を実現できるかの案を出しやすい立場でした。「これだけは譲れない」と言われる要望もときにはありましたが、一度に実現することが難しい場合は、要望に優先順位をつけて、順番に実現をしていくように丁寧に説明することで、納得してもらったこともありました。こうして要件の整理と、関係者との調整を重ねていった結果、当初の予定通り、2020年10月にリニューアルをすることができました。

今回のプロジェクトにおける私の役割は、仕様を決めていきながら、関係者それぞれの要望で向きが不揃いになりがちなベクトルを、話をして納得してもらいながら揃えていく、いわば旗振り役でした。このように言うと、大変な仕事だと思われるかもしれませんが、私はとても楽しみながら仕事に取り組んでいました。実現したいことを丁寧に説明することで相手に理解してもらえたり、相手の言うことにじっくり耳を傾け、それをもとに別案を提示し、快く納得してもらえたときは、本当に清々しい気持ちになりました。コーディネーションの仕事の醍醐味は、人と会話をして、わかり合えた瞬間にこそあるのだと、私は思っています。

社員略歴

斉藤技術開発部/2012年 入社
2012年「理工系(ソフトウェア)」入社。
コーディネーター、プロジェクトマネージャーとして、Wii Uのシステムソフト開発、ニンテンドーアカウントのシステム開発、Nintendo Switch店頭試遊台システムの開発、My Nintendo Storeの開発などに従事。
職種

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