慎重すぎるのがちょうどいい慎重すぎるのがちょうどいい

業績予測業務のシステム化を図る

経理部では、決算業務や税務対応、財務数値の分析など、さまざまな業務を担っていますが、私が主に担当しているのは、任天堂グループの連結業績予測業務です。国内外のグループ各社から、損益や製品の仕入れ、販売などの予測データを収集し、それらをひとまとめにすることで、今後の売り上げ見込みや将来の業績情報、シミュレーション情報をわかりやすく伝えることが主な役割です。

グループ各社から寄せられるデータは、これまで表計算ソフトを使って集計していましたが、自動化されていない部分が多く、またグループ会社によって提出されるデータの形式も異なるので、集計負担はかなり大きいものになっていました。さらに、表計算ソフトには複雑な計算式がたくさん作り込まれており、私自身、使いこなせるようになるまでかなりの時間を要しました。この状態のまま、新しくメンバーが増えた場合、使い方を理解してもらうまでに長期間の経験が必要で、ノウハウを伝えるのにもかなりの労力を割きます。

この課題を解決するため、グループ各社の事業計画をひとつに集約するシステムを導入することになりました。集計業務を効率化することで、より分析や説明資料に時間を使えるようにするだけでなく、将来のデータ活用の基盤になる狙いもあります。社内のシステム部門や外部のシステム会社から協力を得ながら、システム化を進めていきました。このプロジェクトが動き出したのは、私が入社して2~3年が経過した頃のことです。はじめ私は実務担当者として参加していたのですが、途中からは社内外と調整し、プロジェクトをけん引する役割を任されることになりました。

慎重に、地道に作業を進めていくしかない

これまで表計算ソフトで行っていた業務をシステム化するというプロジェクトは、じつはそう簡単なことではありません。業績予測業務はもともと複雑で、海外子会社もあるため為替レートの変動を織り込む必要があるなど、細かな領域でルールを決めていかなければなりませんでした。

このような複雑な課題を解消していくための即効薬は存在しておらず、スケジュールは守りつつも、慎重に、地道に作業を進めていくしかありません。細かい仕様について認識に齟齬が無いように、プロジェクトの関係者と、徹底的にコミュニケーションをとることを心がけました。それぞれの認識が同じであるか、必要に応じて開発者と毎日会議を行い、慎重すぎるくらいに確認をして進めていきました。それが遠回りのように見えても、出戻りをせずに済むという意味で、じつは近道になるということが分かりました。結果として、無事に新システムを使った業務をスタートさせることができました。

もともと私は、ゲームが大好きで任天堂に入社しました。経理部というと、ゲームの世界から遠いところにある部署だという印象もあるかと思いますが、製品に関する多くの情報が集約される部署なので、意外とゲーム情報に触れる領域は多いです。これから発売される新作ゲームの情報に、経理担当者として、普通では見ることができない少し変わった角度からゲームに接しています。

社員略歴

吉村経理部/2019年入社
2019年「事務系」入社。
入社後、経理部で子会社の連結決算業務、任天堂グループの業績予測業務や経理関連のシステム構築プロジェクトなどに携わる。
職種

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