コミュニケーションで技術を支援するコミュニケーションで技術を支援する

技術系のサポートを英語で伝える

任天堂は、ゲーム機およびゲームソフトを開発・販売するプラットフォーム企業であり、当社のプラットフォーム上ではたくさんのソフトメーカー様に魅力的なゲームタイトルをリリースしていただいています。日本国内だけではなく、海外にも多くのソフトメーカー様がおられますので、みなさまがゲームタイトルをスムーズにリリースできるよう、私が所属する業務部ではさまざまなサポートを行っています。サポートの内容は大きく2種類にわかれており、一つめは実際にリリースが決まったゲームタイトルを発売するためのオペレーションやPR活動を行うビジネス系サポートで、もう一つはゲーム開発を技術的にサポートする技術系サポートです。私は主に海外のソフトメーカー様に対する技術系サポートを行うチームに所属しています。

直接ソフトメーカー様とやり取りをするチームもありますが、私の主な仕事は、海外のソフトメーカー様の窓口となっている海外子会社の担当者との連携です。主にアメリカやドイツにある子会社と密にやり取りをすることが多いです。本社と海外子会社とで行う定例会議の通訳をはじめ、社内の各部署で得られた情報をそのつど海外子会社の担当者に共有するなど、ゲームソフトをリリースする前段階から浮上する技術的な問題や問い合わせに対し、解決に向けて動くなどしてサポート全般に携わります。

これまで、海外ソフトメーカー様への技術系サポートでは、本社エンジニアが伝える内容を現地担当者が通訳・翻訳していました。しかし、現地担当者は技術的な内容や、本社エンジニアの考え方に詳しいわけではないため、内容を正しく伝えるためのハードルが高く、結果としてソフトメーカー様にも正確な情報が伝わりにくい、という課題がありました。そのため、本社と海外子会社が一体となって、同じ認識のもとで仕事を進めていけるよう、より正確かつ迅速に本社の意向を伝える仲介役が必要となり、その役割を私が担うことになりました。ただ、担当し始めたころは技術的な内容にあまり詳しくなかったため、例えばSDKやミドルウェア、プロトコルなど、日本語でも瞬時に理解できない言葉が多くありました。

意図や物事の行間を読んでこそ

言葉が分からないままでは、現地担当者や本社エンジニアの、意図や思いを的確に伝えることができず、ひいてはソフトメーカー様のゲーム開発にも支障が出てしまいます。そこでまずは地道に、技術用語の解説や、ゲーム開発者向けのドキュメントを読みこみ、それでも分からない言葉があれば周囲の人に聞くなどして、技術的な知識を蓄えていきました。また、海外の技術サポートをするうえでは知識に加えて、話し相手一人ひとりをよく知ることも大切です。例えば、よくやり取りする現地担当者について、話し方のクセや個性を理解するよう心がけました。そのうえで、相手の話す内容を表面的に理解するのではなく、そこに含まれる真意や、現地担当者の先におられるソフトメーカー様の意図を読み取って通訳し、伝えるようにしました。会議が終わった後もチャットでコミュニケーションをとり補足をするなど、密なコミュニケーションで信頼関係を築くことも意識しました。その甲斐あってか、海外子会社のメンバーから「和田さんが入ってくれるようになって仕事がしやすくなった」という言葉をかけてもらえたときは、本当にうれしかったです。

本社エンジニアが伝えたい意図や背景まで理解し、説明できる立場であるからこそ、言葉にならない部分を補って伝えることが、本社と海外子会社の認識や思いをうまく擦り合わせ、円滑なコミュニケーションに繋がり、任天堂全体の方向性が揃い、ひいては任天堂プラットフォームがお客様により喜んでいただける環境になると考えています。

私は生まれも育ちも日本で、英語との出会いは中学生になってからでした。それからはとにかく、英語が好き、英語を理解したいという思いで無我夢中に学んできました。今は言語や文化の垣根を超えて社内外のさまざまな人たちと繋がれていること、そして、世界中のソフトメーカー様が魅力的なゲームタイトルをリリースすることに貢献できることがとても楽しく、やりがいにもなっています。

社員略歴

和田さん業務部/2020年入社
2020年「管理・営業系」入社。
2021年より技術系パブリッシャー支援として、英語のコミュニケーションを通し、主に海外のパブリッシャー向け技術サポートの調整業務に携わる。
職種データ

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