本当に求めているものを読み取る

過去の経験を活かしてシステム開発

Nintendo Switchを起動させると、トップ画面の下に6つのアイコンが表示されます。そのいちばん左にあるのが「ゲームニュース」で、このアイコンを選ぶと、任天堂から配信される、さまざまなゲームの最新情報を得られるようになっています。Wiiの「みんなのニンテンドーチャンネル」やニンテンドー3DSの「いつの間に通信」などの開発や運用に関わってきた私は、Nintendo Switchの発売と同時にサービスがスタートする「ゲームニュース」のシステム開発に携わることになりました。

最初に、ニュースの機能を必要としているさまざまな人たちと、ニュースでどのようなことを実現したいのかを打ち合わせすることになるのですが、この時点ではまだ仕様が完全に決まっていなかったため、方針が決まるのは少し時間がかかるだろうと思いましたし、「みんなのニンテンドーチャンネル」などの過去の開発経験から、実装を始めてからも何度か仕様変更が必要となるであろうことは簡単に想像できました。


しかも、国内で開発していますので、海外からの要望を想像しつつ、まずは日本の要望に合うようにシステムを作った後、海外からの要望を反映することが多いのですが、時には日本からの要望と海外からの要望がまったく異なったり、正反対の場合もあったりしたんですね。すると、また作り直し、ということになり、それにかかる時間や労力も膨大なものになります。そこで、今回の「ゲームニュース」の開発にあたっては、作業の進めかたを工夫することで解決することにしたのです。

あえて未完成の状態で意見をもらう

しっかりと作り込んだシステムは、途中で作り替えるには大きな負担がかかりますし、作り替えたときにミスが発生するリスクは小さくありません。そこで今回は、あえて最初からしっかりと作り込まないようにしました。まだ完成度が低い状態から日本や海外の担当者にチェックしてもらうなかで、どのような要望が来ても、柔軟に対応できるようにしたのです。


それでもやはり、日本と海外では、まったく異なった仕様を要求されることもありましたし、実現が難しい要望もありました。そこで、依頼者が「こうしてほしい」という要望の裏に隠れている、本当に求めているものを読み取るようにして、「おそらくこういうことをやりたいと思うんですけど、そうであればこういう方法はどうでしょうか?」とか「それはできないけれど、こちらであればできるのですが、どうでしょうか?」というように、こちら側から逆に提案をして、お互いが納得できる着地点を見つけてから、最終的な仕様を決めるようにしました。

サービス開始の瞬間に立ち会える醍醐味

そのようにして、4、5人のスタッフで、ほぼ1年かけて作ったのが「ゲームニュース」です。ゲーム機のような形のある商品が発売された日の様子は、売り場に行かない限りは、自分の目で確かめることはできませんが、「ゲームニュース」のようなネットワークのサービスであれば、お客様が使いはじめた途端、サーバーにアクセスが来はじめて、リアルタイムにその様子を知ることができます。

いざサービスがはじまるという時は、もちろんデバッグはしっかりやっているものの、実際にお客様からのアクセスが確認できるまでは、本当にちゃんと動くかどうか、とても不安です。実際にアクセスがあって、ちゃんと動いていることが確認できると一瞬ホッとするんですが、今度は負荷が大丈夫かな?など、また次の不安が出てきて、サービス開始の時はいろんな意味でドキドキするんですよね。


このように、自分が関わったサービスに世界中からお客様がアクセスをはじめた瞬間に立ち会うことできるのは、ネットワークサービスという仕事の醍醐味のひとつであると感じています。

社員略歴

井上 雄介

井上 雄介理工系/2009年 入社
2009年「理工系(ソフトウェア)」入社。Wii「みんなのニンテンドーチャンネル」、ニンテンドー3DS「いつの間に通信」や「すれちがい通信中継所」機能のサーバー開発・運用を担当した後、Wii U『マリオカート8』(2014年)や『スーパーマリオメーカー』(2015年)などのゲーム連動サイトや、Nintendo Switchのデータ配信系サーバーの開発に携わる。
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