バラエティーに富んだプラットフォームに

インディーズのグローバル展開を支援

任天堂は、ソフトメーカーであると同時に、ゲーム機を開発・販売するプラットフォーム企業でもあります。私が所属する業務部は、Nintendo Switchやニンテンドー3DSなどのゲーム機を、よりバラエティーに富んだソフトが遊べるプラットフォームにするために、社外のソフトメーカーさんの窓口となって、任天堂のプラットフォームをソフトメーカーさんと一緒に盛り上げていくためのさまざまな交渉やサポートをしています。

ソフトメーカーさんといっても、みなさんがよくご存じの大手メーカーさんだけでなく、いわゆる世間でインディーズと呼ばれるような小人数体制で独立してゲームを開発している会社や個人の方などもいます。しかし、数年前までは、こういったインディーズの方々が任天堂のプラットフォームでソフトを発売するのは難しい時代が続いていました。パッケージでソフトを発売しようとすると製造や流通のための費用や手間がかかるため、負担が大きすぎたのです。

ところが近年では、ニンテンドーeショップを通して、低コストで全世界にデジタル配信ができるようになりました。しかも、ゲームエンジンとよばれる開発環境が格段に進歩したおかげで、個人でもゲームを開発しやすい時代になってきました。ですから、今まで以上にインディーズの方々にも積極的にアプローチをすることが重要になると考え、私は率先してその活動をしていくことにしました。

開発者のための活動

活動し始めてみると、多くの開発者の方々が、任天堂のプラットフォームでソフトを発売することに対して「出したいけど、どうしていいかわからない」と諦めてしまっていたことがわかりました。任天堂の誰に、どのようにコンタクトをしていいのかもわからない状態です。そこで、業務部内でチームを組んで、開発者が集まるイベントに積極的に参加するなどの草の根活動を始めました。国内の小規模なイベントから海外のイベントまで、開発者の方々に直接会いに行くことで、担当者の顔が見えるようにしたかったのです。

また、私は以前からインディーゲームが好きだったこともあり、2014年から個人的に「BitSummit *」 に行っていました。当時は任天堂としての関わりはありませんでしたが、参加するなかで開発者の方々のあふれんばかりの熱意を感じたことで、任天堂としてもサポートしていきたいと思い、社内に提案しました。そして、2016年から任天堂もスポンサーの一員となり、ブースを構えてインディーゲームの試遊台を展示することができるようになりました。

BitSummitでの任天堂ブースの様子。

ただ、こうしたユーザーイベントへの出展経験は、業務部としてはほとんどありませんでした。そのため、他部署からノウハウを聞いたり、自分が参加したことのあるイベントで見た他社さんのブースを参考にしたりしながら、手探りで準備を進めました。デモの準備、必要な機材の手配、当日配布するチラシの制作、イベントに合わせて放映するプロモーション動画 (「ニャニャニャ! ネコマリオタイム」インディーズ特集)の制作など、やることは多岐に及びましたが、多くの部署やソフトメーカーさんにご協力いただいたことでなんとか無事にブース出展を行うことができました。
イベント当日に、運営や開発者の方々から温かい歓迎の言葉をいただけたときには、出展して本当に良かったと思いました。

もともと私は、デジタルもアナログも問わず、さまざまな種類のゲームを遊ぶことを趣味にしています。なので、自社のプラットフォームでもバラエティーに富んだゲームを遊べるようになると嬉しいですし、それもこの活動の原動力のひとつになっています。その結果、彼らのゲームが世界中の多くの方々に楽しんでいただけるようになり、また次の作品につながるようになれば、こんなにうれしいことはないですね。

※BitSummit:国内最大級のインディーゲームの祭典。
2013年より京都にて開催されている。

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社員略歴

副島業務部/2010年 入社
2010年「理工系(ソフトウェア)」入社。任天堂プラットフォームでゲームビジネスを希望するソフトウェアメーカーへの渉外業務を幅広く担当。
職種

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