選択と集中

地形ギミックを選択

私が『Splatoon(スプラトゥーン)』のチームにプログラマーとして配属されたのは、2作目のNintendo Switch版の開発がはじまろうとしていたタイミングでした。そこで私はまず、1作目の『Splatoon』のプログラムを精査してみました。試作期の名残を引きずっており、遊ぶことには問題がないものの、長く作り続けていくことについてはあまり考慮されていませんでした。たとえて言うなら、ギャラリーに作品はちゃんと完成しているものの、作業場はひどく散らかっているような状態だったのです。

地形ギミック

ただ、すべてを作り直すための時間はありませんでした。というのも『Splatoon』の続編は1年半で作ることが決まっていたのです。続編であっても、お客様に新しさや変化を感じていただけるものって何だろうと考えたときに、たとえば新しいブキ(武器)を作ることもひとつの方法です。でも、このゲームの場合、お気に入りのブキを見つけた方は、それをずっと使い続ける傾向がありますので、新しいブキを登場させてもなかなか使ってもらえないことが多いんですね。そこで、私がシステム変更のターゲットとして選択したのが、地形ギミック(仕掛け)だったのです。

量産することに集中

足場が動いたりする地形ギミックは、まずプログラムがあり、そこにグラフィックをつけて、さらにエフェクトや音をつけるという流れで作られるのですが、1作目のときは、その一連の作業の流れがシステム的にばらばらでしたので、ひとつの地形ギミックを完成させるためには、手間がかかるようになっていたんですね。

そこで私は、それらの作業が効率よく進められるように、システムを作り直すことにしたのです。ゲームの開発がはじまって、およそ3、4か月でそのシステムをほぼ完成させることができ、地形ギミックを短期間、かつスムーズに作れるようになったのです。すると余った時間を有効に使えるようになったことで、開発スタッフはたくさんのアイデア出しをすることが可能になり、地形ギミックを量産することに集中できたのです。

フェス限定の地形

その地形ギミックのシステムは、『スプラトゥーン2』の発売後にも役に立ちました。このゲームでは「フェス」という、お題をもとにチームに分かれて勝敗を決める期間限定のイベントが行われているのですが、新しい地形ギミックが早く作れるようになったことで、月に1回のペースでフェス専用のギミックを持った地形(ミステリーゾーン)を配信できるようになったのです。その結果、長く遊んでいただけるタイトルにもなったと思いますし、作る側としても、大勢の方々からの反応をすぐに次の配信で活かすことができるようになったので、このシステムを作ってよかったと思っています。今回は、開発期間が短いということもあって、地形ギミックに集中して取り組みましたが、次の機会では、他の部分にも広げられればいいなと思っています。

社員略歴

森本 陽介企画制作部/2014年 入社
2014年「理工系(ソフトウェア)」入社。Nintendo Switch 『スプラトゥーン2』(2017年)でゲームプログラマーを務める。
職種

↑