2. 「対戦」と「共闘」と「共有」

岩田

ついでに、『スマブラX』の
ネットワークを介した遊びについて
具体的に話しておきましょう。

桜井

はい。もちろん、対戦はできます。
けれども、それ以外に柱となるものを
つくろうと思って、最終的に、
「対戦」と「共闘」と「共有」という
3つの軸を用意したんです。(→企画書表示
「対戦」については、さきほど話したように
「フレンドと」戦うか「だれかと」戦うか
ということで分けて遊べるようになっています。
「大乱闘」で対戦できるのはもちろん、
「ホームランコンテスト」なんかも
ネットワークを介してふたりで競うことができます。

岩田

あ、そうなんだ。

桜井

はい。同時に1つのサンドバッグくんを叩くこともできますが、
陸上競技みたいに、
交互に2回ずつトライして
いちばん飛んだ人が勝ち、
というルールにすることも出来ます。
これが、意外と燃えるんですよ(笑)。
→ホームランコンテスト映像

岩田

ひとりでやると、タイムアタックのように
ストイックなものになりがちですけど、
ふたりでやると独特の緊張感が生まれそうですね。

桜井

そうなんです。
で、「共闘」というのは、いわゆる協力プレーで、
たとえば「百人組み手」を
チームで協力してプレーすることができたりします。
あと、これは「対戦」と「共闘」の
両方の要素を持つことになりますが、
「大乱闘」でフレンドではない
「だれかと」遊ぶ場合もチーム戦ができます。

岩田

え、「だれかと」でもチーム戦ができるの?

桜井

できます。

岩田

それは、自動的に組まれるの?

桜井

そうです。4人で遊ぶ場合、
勝手に「2 on 2」になります。

岩田

じゃあ、見知らぬ人とチームを組んで
遊ぶことになるんだ。

桜井

そうです。
やっぱり、4人集まったときに、
絶対に3位か4位にしかなれない
という人が出てくると思いますので、
そういうときにチーム戦ができれば、
誰か強い人と組んだときに
勝つ喜びが味わえますからね。

岩田

ああ、なるほどね。

桜井

で、あとは「共有」ですが、
これは撮影した「スナップ写真」を送り合ったり、
任天堂サーバから配信するようなことです。

岩田

「対戦」や「共闘」も楽しそうですが、
ひょっとしたらこの「共有」の楽しさが、
もっとも『スマブラX』っぽい
ネットワークの使い方かもしれないね。

桜井

そうですね。
「スナップ写真」をやり取りするほかに、
「ステージづくり」でエディットしたステージを
投稿したり、受け取ったりすることもできます。
あ、これを説明するには、
「ステージづくり」のことから
話さないといけませんね。