本人の口からは言いにくいようなので、
代わりに今井さん、お願いします（笑）。

「おっさんくさい」と言われました（笑）。

ははは（笑）。

わたしとしては３０歳以上の
男性ばかりでつくっていると聞いていて・・・。

３０歳以上のおっさん集団が、
少女マンガをじっくり読んで、
研究しながらつくった「びんせん」は、
いまの若い女の子から見ると、
やっぱりおっさんくさかったんですね（笑）。

そこで、
「そんなに言うんだったら、
　ちょっとつくってみてくださいよ！！」
ということで・・・。

無理やりプロジェクトに引きずり込まれたんですね。

はい。

で、北井さんにつくってもらうことになって、
できあがってきたものを見たら、
ぜんぜん・・・違うんです、やっぱり。

そうでした。
若い女性の感性はまったく違うなあ、と
痛感させられました。

でも、自分らとしては一生懸命に
“女子力”を磨いたつもりだったんですけど（笑）。

“女子力”・・・足りませんでした（笑）。

（笑）

最終的に「びんせん」の種類は
どれくらいになったんですか？

かなりたくさんできたんですけれども、
そのなかから粒よりのものを選んで、
最終的には４２種類になりました。
ほぼすべての「びんせん」をつくり替えたと思います。

それを全部、北井さんが担当したんですか？

いえ、終盤でしたからひとりでは追いつきませんので、
いまはこういうカードが流行っていて、
海外ではこういうカードがウケているんですよ、
というようなサンプルをつくって、
電遊社さんの担当の方に説明したんです。
そうしたら、すごくかわいいデザインが
次第にあがってくるようになりました。

北井さんといっしょにやりはじめることで、
「びんせん」をつくってるスタッフの方も、
すぐにコツをつかんだようでした。

ちなみに、日記の書き方を説明してくれるニッキーは
どうやって生まれたんですか？

そもそもは「びんせん」をつくった理由と
似ているんですけれど、
「こう書けばいいんだな」とか、
「わたしも書いてみよう」と思ってもらえることを
日記で伝えてくれるキャラクターを出そうと考えました。
とくに当初、3DSでつくり直して、
「いつの間に通信」に対応させるとはいっても、
いったい「いつの間に通信」がどんな機能なのか、
任天堂にいる僕ら自身がまだうまくイメージできていなかったんです。

当時はとくにそんな感じでしたよね。

僕らがよくイメージできないようなことは、
お客さんにはもっと理解していただけないと思って、
それも含めてわかりやすく説明してもらえるような
キャラクターが必要だと思ったのが発端です。

最初の頃は、風船のようにふわふわと
いつの間にか飛んでくるような、
そんなキャラクターを考えたりしていました。
あと、鳥と幽霊が合体したようなキャラもいました。
じつは、それが最終候補だったりしてました。

鳥と幽霊・・・ですか？

実際、かわいいんですけどクセのある見た目で・・・。
日記を書いてくれるという設定もありましたので
「手」もありました。
あれもやっぱり、おっさんくさかったかも（笑）。

（笑）

僕らが「いつの間に通信」に対して、
よくわからないという気持ちが
そのまま反映されていたなあと思います（笑）。

わからない、という漠然とした気持ちが
鳥と幽霊のキャラクターに化けたんですね（笑）。

はい、それと・・・
あまりにもクセの強いキャラだったので、
全体のデザインがそれに引っ張られてしまったんです。
ですので、その鳥と幽霊はいったんはずすことにしました。

しばらくキャラクターなしのまま進めていましたが、
日記の書き方や使い方を説明してくれる
キャラクターがどうしても必要でしたので、
オーディションをやることにしたんです。

へえー、オーディションですか。

はい。やっぱり3DSのソフトですので、
Miiのキャラクターがいいと思って、
電遊社さんにたくさんのMiiを紹介してもらいました。

そのなかから、このソフトにピッタリの
Miiを選ぶことにしたんです。

で、「この人がいちばんいいですね」と選んだのが
いまのニッキーになります。
そういえばそのときに電遊社さんから
「今井さんもメガネ女子が好きなんですね」と
言われたんですが・・・。

あ、実際、そうなんですか？

いやいや（笑）。というか、
そのオーディションに出ていたのは
メガネをかけたMiiばかりだったんです。

（笑）

ニッキーという名前はすんなり決まったんですか？

やっぱり
「日記を書くからニッキーかな？」
ということなんですけど、ほかにも
「ふみ かくよ」という候補もありました。

「ふみ かくよ」ですか。
おっさんくささ、全開じゃないですか（笑）。

（笑）

ちなみに海外では何という名前なんですか？

スペルは言語によってちょっと違うんですけど、
“ニッキー”と発音できる名前で統一しています。

そうなんですね。
でも、それが日本語の「日記」につながってるとは、
海外のお客さんにはわからないでしょうね。

そうですね（笑）。

ところで、ニッキーから届く、
チュートリアルのメッセージ日記は
誰が書いているんですか？

誰が・・・それはもちろんニッキー本人です！
どんなことを書いてほしいかをわたしからお願いしています。

はい、それをニッキーとみんなでくわしい内容を考えて、
最後の清書はニッキーが書いてくれています。

やっぱり、どういうふうに書けばいいか迷った人が
参考にできるような日記にしたい、ということがあって、
誰でも簡単にマネのできる、
ネコとか星とか足跡とかを描いてくれました。
そういえば、今井さんや電遊社さんがつくった
「こんなセリフがほしい」という例文があったんですけど、
いまどきの女の子が使わないような
「◯◯なのよ」とか「◯◯かしら」が
オンパレードで（笑）。

（笑）

なんだか男の人がめちゃくちゃ無理をして
女の子の言葉を使ってるような感じで、
そこもニッキーはうまく直してくれました。

やっぱり、おっさんの僕らには
“女子力”が足りないということですかね・・・。

（笑）