5. 現実の人たちとの絆を深めるために

岩田

やはり現実の人間関係から入っていくのが
いちばん楽しみやすいということなんでしょうか?

高橋

身近な人を登録しないと、
面白さはたぶん半減すると思います。
内輪ウケソフトだからこそ、
ものすごくしょうもないことでも
すごく楽しめるところもあると思うんですね。

岩田

一方では、内輪じゃない人を、
ポンと混ぜたりもできるのが面白いところですね。

高橋

そうですね。家族のなかに
有名人がひとり入っていても楽しいですし、
たとえば、自分の奥さんと
自分の会社の人を登録してみるのも面白いんですよね。
ときには同僚から「告白したいのですが・・・」と
相談を持ちかけられることもありますし。

岩田

同僚が告白? 自分の奥さんに?(笑)

高橋

そんなときは素早く「それはダメ」を選択します。

一同

(笑)

中川

告白シーンは
雰囲気がすごくいいんです。

椎葉

心臓のドックンドックンという
鼓動の音まで楽しめます(笑)。

高橋

いろんな種類の告白が楽しめますし、
告白シーンはいちばんのオススメですね。

岩田

それでは最後に、
お客さんになってくれる可能性のある方に、
どういうメッセージでオススメしますか?
まずは中川さんから。

中川

えっと・・・・・・。

岩田

また言いたいことがいっぱいありすぎて
何を言ったらいいのか迷っちゃいますか?

中川

はい。1回パスしてもいいですか?

岩田

はい(笑)。じゃあ、椎葉さん。

椎葉

噴水の前で毎日開かれる
「ストリートライブ」というのがありまして、
そこでは、ゲームのなかの音楽が
アレンジされて聴けるようになっています。
言ってしまえば見るだけのイベントなんですけど、
ここではいわゆるキレイな音楽が入っていると思うので(笑)。

岩田

やっぱりキレイな音楽も聴いてほしいんですね(笑)。

椎葉

はい(笑)。和んでもらえれば嬉しいです。
それからもうひとつ、エディットシーンの曲も・・・。

高橋

Miiを登録したり編集したりする画面です。

椎葉

ファミコン時代から、
パスワードを入力する画面に
とてもいい感じのBGMが流れていて、
忘れられない曲があったりしますよね。
今回の『トモコレ』のエディットシーンの曲も、
ずっと聴いていたくなるような
何度聴いても飽きないような曲をめざしてつくりましたので、
聴きながら楽しくMiiを登録していってください。

中川

とても参考になりました(笑)。

一同

(笑)

岩田

じゃあ、再び中川さん(笑)。

中川

いっぱい担当した部分があったんですけど、
なかでもMiiと遊べるミニゲームも
僕が担当しましたので、ぜひ遊んでください。

椎葉

なかでも「だるまさんがころんだ」は熱いんです。

岩田

Miiが「だるまさんがころんだ」をやるんですか?

中川

」なんです。

一同

(笑)

椎葉

制限時間もありますのですごくスリリングなんです。

中川

というわけで、みなさん、
ぜひ「だるまさんがころんだ」を遊んでください!

岩田

じゃあ最後に高橋さん。

高橋

僕も言いたいことがいろいろあって・・・。
たとえば店頭で『トモコレ』の
パッケージを見かけることもあると思うんですね。
でも、そのパッケージに出ているのは、
自分の家族や友だちのMiiではないんですよね。
だから、「自分には関係ないや」と思って
素通りしてしまうお客さんもいるかもしれないんですけど、
まずはやってみていただいて、
自分と自分の身近な人のMiiといっしょに
ぜひ楽しんでいただきたいです。

岩田

そうすれば、身近な人の
いろんなドラマが体験できるんですね。

高橋

はい。それにこのソフトは
いろんな楽しみ方ができるんです。
たとえば、気になったときに
ちょっとだけ様子を覗くようなこともできますし。

岩田

短い時間で楽しむことができますよね。

高橋

はい。その一方で、濃く遊ぶこともできます。
ある女性社員は、出社して机に向かったら、
まず『トモコレ』のスイッチを入れていたんです。

岩田

毎朝、何をしていたんですか?

高橋

Mii全員にご飯をあげてたんです(笑)。

椎葉

みんなのお腹が空いてるだろうと(笑)。

高橋

食べ物は130種類以上あるんですけど
それぞれのMiiには大好物がひとつだけあって、
それを見つけるのが一苦労なんですね。
で、彼女は毎日いろんな食べ物をMiiに与えて
1人ひとりの大好物を見つけ出したんです。

岩田

大好物をあげると、何かいいことがあるんですか?

椎葉

Miiがすごく喜ぶんです。
しかも、見たこともないような派手なダンスを踊って(笑)。

高橋

彼女は、大好物をあげるだけで
とてもいい気分になれると言うんですね。

岩田

それくらいMiiが喜んでくれるんですね(笑)。

高橋

それだけじゃないんです。
そうやって、毎日Miiの世話をしていると、
現実の友だちへの印象が変わってきたと言うんです。

岩田

と言うと?

高橋

そこそこの友だちだと思ってMiiを登録したのに、
世話をしているうちに
次第に愛おしく感じられるようになって、
「わたしは意外とその友人のこと、大好きだったんだ」と
気づかされたと言うんです。

岩田

まさに現実世界でも、友だちや家族との絆を深められるのですね。

高橋

はい。

岩田

ありがとうございました。
それでは最後に、
わたしから見た『トモコレ』についてひとこと。
 
『トモダチコレクション』はとても不思議なソフトです。
そもそも、どんな着地が起こるかを具体的にイメージできずに、
プロジェクトをどんどん進めるのは
とても珍しいことなんです。
でも、たくさんの紆余曲折をへて、
このソフトは世に出ようとしています。
 
自分や自分のよく知っている人、
さらに「Miiコンテストチャンネル」から、
Miiを混ぜ込むもよし、
「そうか、任天堂が言う“究極の内輪ウケ”というのは
こういうことなのか」ということを
感じ取っていただけるのではないかと思います。
 
なまじっか開発に時間がかかっているということもあって、
いろんなことがたくさん仕込んでありますし、
このソフトを通じて
現実社会の人と人のコミュニケーションが豊かになっていく、
そんなキッカケになればと思っています。