5. 世代別と性別でおすすめソフトを検索

岩田

さて、開発に関しては経験のないみなさんが、
この「おさがしガイド」の
どこからつくりはじめていったんですか?

酒井

打ち合わせをしながら、
この検索ツールで何をしたらいいのかというのを
紙に書き出すところからはじめました。

竹内

画面のイメージの絵も描いたりもしていましたね。

尾田

わたしは実際に売り場に立って
コンシェルジュを担当したこともあって、
来店されたお客さんが、どのように商品を探されているのか、
身をもって感じていましたので・・・。

岩田

売り場に立ったときの経験が
この検索ツールに反映されることになったんですね。
その切り口はであり、
であり、
であり、
であり・・・。

尾田


もそうですね。
ですから、検索ツールに盛り込みたいものは、
お客さんの声を聞くことで、ある程度は見えていたんです。
ただ、それをお客さんがわかりやすいようなインターフェイスとして
どうやって作っていったらいいのかと、
その部分ではずっと迷っていました。
最初は「目当てのソフトがある人/ない人」
という切り口も考えたんです。

岩田

なるほど。

尾田

でも、目当てのソフトがあってもなくても
新作ソフトを見られることはあるでしょうし、違うかなと。
そこで、いっそのこと、
6つの検索の切り口を全部トップ画面に出しちゃおうと。
それに、はじめは試験運用をするという話でしたので、
いちばん利用される切り口はどれなのかとか、
そのテスト結果を見ながら
修正していけばいいということになったんですね。
ソフトの情報は、
『みんなのニンテンドーチャンネル』の情報をフル活用し、
各ソフトの映像も見られるようにしましたけど、
店頭で得られる情報として画期的なのは
だと思っているんです。

酒井

やはり、任天堂がおすすめするものではなく、
お客さんが実際にプレイされて、
その結果“みんなのおすすめ”として投票された
客観的なデータですので、
とても意味があると思ったんですね。

岩田

お客さんが実際にゲームを1時間以上プレイされた上で
1人1票のかたちで投票されたものを集計して、
その結果が世代別と性別に分類されて、
一覧表でバーンと見えてしまうと。
だから、1本1本のソフトが、
どのような方々に、どう受け止められているのかということが、
ひと目でわかるようになっているんですよね。

酒井

『みんなのニンテンドーチャンネル』でも
性別・年齢ごとの「おすすめランク」を見ることができるのですが、
「男性・25-34歳」など、検索条件をひとつひとつ設定しなければ
見ることはできませんし、一覧で表示することもできません。
『みんなのニンテンドーチャンネル』の開発当初は
これで十分と思っていたのですが、
できあがったものを実際に触ってみると、
これが一覧表示できたら便利だろうなと思うようになりました。
今回の「おさがしガイド」ではこの思いが実現できたわけですが、
店頭では、自分用としてはもちろん、お子さんや、家族、
彼氏や彼女向けのプレゼントを選ばれるお客さんも
たくさんいらっしゃいますので、
この一覧表示が、いろいろなケースでお役に立てると思います。

岩田

それに、どのソフトがどんな層の方々に評価されているか、
ソフトごとに比較してみるのも面白いんですよね。

波多野

開発者の方がこれを見られて
「ああ、そうなのか・・・」と
よくも悪くも考え込んだりするかもしれないですね(笑)。

岩田

たしかに開発側も、すごく知りたいことも詰まっていますし、
わたしが言うのもなんですが、
お店で「みんなのおすすめ」が見られるというのは
ちょっと画期的なことだと思うんです。

波多野

もちろんお客さんにとっても、作り手にとっても、
「みんなのおすすめ」は画期的だと思うんですけど、
同時に売り場の担当者の方にとっても
すごく役立つ仕組みだと思うんですね。
ソフトに対する理解力を高めることができますので
お客さんと接客される際にとても有効な道具になるでしょうね。

岩田

ですから、この「おさがしガイド」を
売り場に置いて、お客さんに自由に使っていただく以外にも、
お問い合わせを受けたら、店員さんに操作していただいて、
出てきた情報を、お客さんにお見せするようなことも
使われ方ということでは想定しているんですね。
そこで、この検索ツールは、
カウンターに置いていただくものと、
DSステーションのように、台と一体になっている
2つのスタイルがあるんですよね。

竹内

はい。そもそも店員さんには、意外と情報源がなくて、
それを気にされているということも、
営業を通じて聞いていたりしたんです。

岩田

情報源がないというのはどういうことですか?

竹内

いわゆるゲーム雑誌とか
インターネットしか情報源がないようで、
ソフトの発売予定日はよくご存じなんですけど、
1本1本のソフトが、どのようなソフトで、
どのようなお客さんにおすすめできるのかということは、
自分の感覚でしかないそうなんです。

岩田

つまり、実際に販売をしておられるなかで、
どういうお客さんがよく買っていかれるのかということは
ご自分の経験に基づいておわかりになっても、
そういった経験をお持ちでないソフトについては
あまりわかっておられない、ということも少なくないんですね。

竹内

ですから、お客さんから質問をいただいても
的確に答えていただけないということもあるんですね。
そこで、「おさがしガイド」のようなツールがあれば、
ソフトのことが、いろんな角度でわかりますし、
それは店員さんにとっても意味があると考えたんです。

酒井

「売れているソフトからさがす」というのは、
その最たるものだと思います。

竹内

そうですね。お客さんからは
「何が売れているの?」という問い合わせが多いと
コンシェルジュの報告にもありましたし。

酒井

店員さんは、自分のお店で
何がよく売れているかということはご存じなんですけど、
全市場で、そのソフトがどのくらい売れているかについては、
雑誌などに載っているデータを見るしかないんです。
ところが、その週の売れ筋はわかっても、
過去にさかのぼって販売数を調べるのは、
なかなか難しいことですし。

岩田

でも、この検索ツールだと
これまで累計でどれくらい売れたかもわかるんですよね。

酒井

はい。

波多野

しかも、「何が売れているの」という質問に対して、
たとえば『トモダチコレクション』(※6)を調べようとすると、
ゲームの映像がパッと流れるのが、
とてもわかりやすいと思いますね。

※6

『トモダチコレクション』=2009年6月に発売された、DS用ソフト。身近な人や友人のMiiをマンションの住人として住まわせ、Miiたちの行動を楽しむソフト。

酒井

パッケージの裏面にも情報が載っていますけど、
やはり絵は動いたほうがわかりやすいですし、
情報量もぜんぜん違うと思います。

尾田

わたしは、年末年始に店頭で
「おさがしガイド」の横に立って、
お客さんにご説明する機会があったんです。
そのときに、2つのソフトで迷っておられるお客さんがいらっしゃったので、
さっそく両方のソフトの映像を見ていただいたんです。
すると、「こっちのほうが子どもにできそうだ」と即決されました。
やっぱり映像の効果はとても大きいと思いました。

岩田

これには、任天堂のソフトだけじゃなく、
ソフトメーカーさんのタイトルも網羅されているんですよね。

酒井

はい。ムービーもすべてのソフトではないですけど、
けっこうな割合で入っています。

岩田

尾田さん、実際に店頭でお客さんにご説明したとき、
どんな質問がいちばん多かったんですか?

尾田

年末ということもあって、いちばん多かったのは
プレゼントに関する質問で、
「『マリオ』のソフトが欲しい」みたいに
商品名の一部しかご存じでないケースですね。

岩田

すると・・・(実際に操作しながら)
「キーワードからソフトをさがす」で、
"マリオ"と打ち込めばいいんですね。

尾田

店頭でもそこがけっこう活躍していました。
それで、「『マリオ』のいちばん新しいのはどれ?」と
聞かれたときにも・・・。

岩田

(『マリオ』関連のソフト一覧が表示されて)
いちばん新しいのは『NewスーパーマリオWii』(※7)というのが
すぐにわかりますね。

※7

『New スーパーマリオブラザーズ Wii』=2009年12月に、Wii用ソフトとして発売されたアクションゲーム。1人だけでなく、最大4人まで同時に楽しむことができる。

尾田

それで、お客さんのお求めの商品を
すぐに特定することができたんです。

波多野

そもそも日本で年間に新しく発売されるタイトルは、
970〜980タイトルくらいなんです。
これは全プラットホームの数字ですけど、
それくらいたくさんあると
販売店さんの方もわかりませんよ(笑)。

岩田

全部わかって覚えていること自体が
物理的に無理ですね(笑)。

尾田

ですから「このゲーム内容はどんなのですか?」と聞かれても、
即答できる人はなかなかいらっしゃいませんけど、
売り場ではこの検索ツールがすごく役に立ちましたので、
ちょっと手ごたえを感じることができました。

任天堂ホームページ

Wii・DSソフト おさがしガイド

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