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2009年10月30日(金)経営方針説明会/第2四半期(中間)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

昨年同時期にアメリカ以上の伸びを見せてシェアが5割を超えていたWiiですが、今年は2007年の水準に戻ってしまいました。ヨーロッパの価格改定は10月に入ってからでしたので、まだその効果はこのデータには反映されていませんが、アメリカと同様に年末商戦で何とか挽回を図っていきたいと考えています。


こちらは、日本の据置型ソフトの販売本数の推移です。
現在の日本の据置型ソフト市場は、アメリカの1/6以下、ヨーロッパ主要4カ国の1/4程度と、市場規模に非常に大きな差が出ています。ハードはアメリカの約1/3.5、ヨーロッパ主要4カ国の約半分が売れているのですが、日本は今、据置型ソフトの売れにくい市場になっていると言えます。
昨年は、Wiiの市場は比較的元気でしたが、今年は、昨年末に発売したタイトルのロングセラー化ができなかったこと、今年前半に有力タイトルがほとんど発売できなかったことなどから、大幅な落ち込みになってしまいました。


これによって、据置型でのWiiのソフトシェアは、50%を若干ですが割り込んでしまいました。


こちらは、アメリカのソフトの販売本数の推移です。
先ほど、Wiiソフトに対して日本の市場でお話しした要因はアメリカにも当てはまり、日本と比較して据置型ソフト市場の非常に大きなアメリカにおいても、Wiiが前年に対して若干しか増やせていないことや、ソニーさんのPS2のソフト販売数が前年に比べて大幅に減ったことなどの影響があり、Xbox360やPS3は若干伸びたものの、結果として、ソフト販売本数全体では前年を下回ってしまいました。


市場全体の据置型ソフト総本数が伸びていないため、Wiiのシェアが前年に対して若干増えているのですが、もちろん、満足すべき状況ではありません。


ヨーロッパにおいても、Wiiはソフト販売本数が微減と本来あるべき伸びを発揮することはできませんでした。またソフト市場全体も、さきほどのアメリカと同様の傾向でPS2の本数減を補うだけ、市場は伸びませんでした。
また、ヨーロッパは据置型ソフトの市場規模は、アメリカに比べてまだ約半分です。後ほどお示ししますが、携帯型ソフトの市場規模がアメリカに匹敵するほどに成長している状況と対照的と言えます。


ご覧のように、Wiiのソフトシェアはほぼ前年と同じ水準でした。


続いて、携帯型の市場についてお話しします。
これは、日本市場における2007年から2009年までの1月から直近週までの携帯型ハードの販売台数をメディアクリエイトさんのデータを用いて比較したものです。 日本市場は、携帯型ゲーム市場の割合が大きく、携帯型のハード・ソフトについては、日本市場もアメリカやヨーロッパと同じスケールで見た方が市場規模のイメージがわかりやすいので、スケールを揃えてあります。
昨年は前年に比べて大きな落ち込みとなったDSハードですが、今年は7月以降にDSソフト市場が活性化して販売が伸び、前年に対して約18%の伸びとなりました。しかし、携帯型ハード全体では前年に対して落ち込んでいます。


一部に、DSは日本で競合に対して苦戦しており伸び悩んでいるとの見方もあるようですが、昨年とは全く状況が違うことはシェアで見ると一目でおわかりいただけると思います。


これは、アメリカ市場における携帯型ハードの販売台数の推移です。
アメリカのゲーム市場全体が前年割れしている中で、DSは、今年も約17%強販売が伸びました。これは、今年に入ってからニンテンドーDSiを投入したこと、そして、DS全体の普及が日本やヨーロッパなどに遅れて推移した中で、アメリカ市場のポテンシャルが今年発揮されていることなどによるものと分析しています。
昨年のこの時期には、最も売れているハードはWiiでしたが、今年は、DSがWii以上の販売状況となっており、今年これまで最も売れているベストセラーハードとなり、2番目に売れているハードがWiiとなっています。




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