新しい驚きを

新人にも大きな仕事

私が任天堂に入社して、新人研修を受けたあと、最初に配属されたのがWii U『マリオカート8』のチームです。私は、地形デザイナーとして加わったのですが、「新人さんもどんどんコースを作ってね」という空気の中で、開発者人生の第一歩を踏み出しました。そのとき、「新人でも大きな仕事を任せてもらえるんだ」と驚いたことをよく覚えています。


私に与えられたテーマは「人工施設のコースを作ること」。そこで、カートで走ると楽しそうな場所をいろいろ考えて、それぞれの場所についてひたすらアイデア出しをし、最終的に空港をモチーフにしたコースを作ることにしました。空港には華がありますし、飛行機と一緒に飛ぶことができたら、それは新しいものになると思ったからです。


そこでまず、ノートにコースの下書きをすることからはじめました。ところが最初に作ってみたコースは左カーブだらけ。それでは単調なので楽しくありません。そこで、最初の頃は先輩やチームの他のメンバーにアドバイスをもらいながら、コースを描いては捨て、描いては捨てるということを繰り返していました。

本物らしさとは何か

空港を表現していくうえで大事なのは本物の建物をそのまま再現することではありません。それを空港だと感じさせているモノは何なのか、空港「らしさ」とはいったい何なのかを的確にとらえ、形にしていくことです。そこで空港に関連する資料があれば片っ端から取り寄せ、実際に大阪国際空港に行ったりもしました。そんな中で、広いロビーや高い天井、青い水平線など、そこに「空港」を感じたさまざまな要素を厳選しコースデザインの中に落とし込んでいきました。


そして、最終的にできあがったのが「サンシャインくうこう」です。プレイした方はご存じかと思いますが、滑走路から空に向かって大ジャンプして飛び立つところがあります。空港をテーマにコースを作るなら、ここを走るのが一番盛り上がるだろうと思ったんですね。他にも「上空から自分のさっきまでいたところを見おろすところ」「空を旋回しながら走るところ」など『マリオカート』だからこそ引き出せる、飛行機や空港が持っている魅力を、いたるところで表現しようと思い、コースをデザインしていきました。


もともと私は、学生時代から人にすごいと思ってもらえるものを作って驚いてもらうのが大好きでした。任天堂の会社説明会に出席したとき、「新しい驚きを提供し続ける会社だ」という話を聞いて、「自分がやりたかったのはこれだ」と思ったんです。ですから、Wii U『マリオカート8』やNintendo Switch 『マリオカート8 デラックス』でも、人をワクワクさせることができたのであれば嬉しいです。

社員略歴

原義和

原義和企画制作部/2012年 入社
2012年「デザイン系」入社。
Wii U『マリオカート8』(2014年)、Nintendo Switch『マリオカート8 デラックス』(2017年)では、地形の3DCGデザイナーとして関わる。
職種