情報の道を整備する情報の道を整備する

ネットワークは重要なインフラ

社内だけでなく、国内外の多くの関係者とも情報のやりとりに利用するネットワークは、任天堂にとって非常に重要なインフラです。数年前まで本社を中心に構築されていましたが、社員の利用や海外の子会社間通信など、用途ごとにさまざまなインターネット回線を用いていたために、ネットワーク構成が複雑になり、管理がとても大変でした。また、本社の障害が他拠点に影響を及ぼす可能性もありました。

ゲーム開発の規模は年々大きくなり、ネットワークでやりとりされるデータ量もどんどん増大しています。パートナー企業の増加も通信量の増大に拍車をかけており、ネットワークの高速化と安定化に向けての環境づくりが急務になっていました。ところが、大容量のデータを扱うために、高速の回線を追加で社内に引き込んだり、複数の回線につながった機器を交換しようとすると膨大なコストがかかることがわかりました。

もともとネットワークの設計は外部の会社に委託していましたが、複雑な構成の置き換えを迅速かつ臨機応変に対応することを考え、自社で整備することにしました。ネットワークシステムの再構築プロジェクトに参加することになった私がまずはじめたのは、たっぷり時間をかけて任天堂の複雑なネットワーク構成を分析することでした。

ネットワーク機器の通信量を確認する画面

あらゆる業務に貢献できる仕事

そうして分析と検討を重ねた結果、国内に2か所ある外部のデータセンターに、複数の高速な回線をつなぎ、任天堂の全拠点から接続する方法を採用することにしました。外部のデータセンターを経由すれば、扱われるデータ量が今後さらに増大しても素早い対応をとることが可能になり、複数のデータセンターと契約することで、不慮の事故や災害時に備えることも可能になります。

任天堂のゲーム開発を支えてくださるパートナー企業はたくさんあります。データセンターへの切り替えの際は、これらのパートナー企業と連携をしながら対応する必要があったため、大変だったのですが、なんとかチームで手分けをしながら作業を進めることで、すべての切り替えを終えることができました。その結果、従来よりも数倍から十数倍くらい快適な通信ができるようになりました。通信速度に関する開発者からの問い合わせも大幅に少なくなり、新しいネットワークに切り替えて、本当によかったと思いました。

私は、ネットワークとは「道」のようなものだと考えています。道とは、あって当たり前の存在ですし、そこを通れなくなったり、あるいは通行規制があったりすると、利用者は困ってしまいます。その意味で、私たちのチームの仕事は、快適に行き来できる情報の道を整備することだと考えています。私たちが準備したネットワークは、社員だけでなく、任天堂の業務に関わるすべての人たちにお使いいただくインフラでもありますので、あらゆる業務に貢献できる仕事という点で、とてもやりがいを感じています。

ネットワーク機器の利用統計を確認する画面

社員略歴

湯朝技術開発部/2008年入社
2008年にキャリア採用で入社。
前職ではネットワーク・セキュリティベンダーのシステム・インストラクターに従事していた。任天堂入社後は任天堂社内のネットワーク・インフラ基盤やサーバーインフラ基盤の設計・構築・運用を担当。
職種

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