ミクロとマクロの両視点でミクロとマクロの両視点で

世界中の商品の流通データを1つのデータ分析基盤に

データ分析基盤とは、多種多様なデータを収集・加工して1箇所に集約し、横断的なデータ分析に活用できるようにするための技術的基盤です。さまざまな部門・システムに蓄積されていた商品の流通に関するデータを、全社的に活用できるようにするために、データ分析基盤開発のプロジェクトが始動しました。

蓄積されたデータを収集して活用すると一言で言っても、データの量はきわめて膨大で、その体系も千差万別だったため、データ分析基盤の構築は決して簡単なプロジェクトではありませんでした。収集するデータは、商品の受注数や出荷数、セルスルー(お客様にご購⼊いただいた販売数)といった、国内外の商品の流通に関わるありとあらゆるデータになり、対象となる商品は、ゲームソフトウェアやハードウェア、アクセサリーなど、多岐にわたります。これほどのビッグデータを扱い、複数の部門がデータを利用しやすい形へと統合するというプロジェクトは、コーポレートITとして先例がなかっただけに、とても大きなチャレンジでした。

商品には管理用のコードが付けられている
データ分析基盤の開発画面
商品に付けられたコードはデータ同士を結びつけるのに役立つ

私がプロジェクトを進めるうえで重視したのは、海外も含めた各所の業務を深く理解して要件定義をすることです。実際に調査をしてみると、商品などに付けられるコードのフォーマットが地域によって少しずつ異なっていたり、同じ用語を使っていても部署や子会社によって定義が厳密には違っていたりしたため、ひとつひとつ丁寧にヒアリングを続けて理解を深めることに注力しました。その一方で、「木を見て森を見ず」となって全体を見通せなくならないようにも注意を払いました。ミクロな視点での業務プロセスを重視しすぎて、すべての事情を強引にシステムに反映させてしまうと、汎用性の高い統合したデータとは程遠いものになってしまいます。ユーザーとなる各部門の要件をしっかりと押さえつつ、ミクロとマクロの両視点で目指すべき最適なゴールを慎重に見極めながら、将来の業務プロセスの変化にも柔軟に対応できるデータ分析基盤となるように設計・開発を行いました。こうして努力の末に生まれたデータ分析基盤は、グローバルな業務分析などに広く活用されています。

技術的な知識でみんなを笑顔にする

新しいデータ分析基盤が稼働したことで、各部門で必要なときに必要なデータへすぐにアクセスでき、幅広い業務分析がおこなえるようになりました。実際にデータ分析基盤を活用している社員からも業務効率が大きく向上したという感謝の言葉をもらっています。業務負荷が下がると社員がより生産的な業務に集中できるようになり、ひいてはお客様を笑顔にするための取り組みにもいっそう貢献できるようになります。

任天堂におけるコーポレートITの現場では、今回のプロジェクトのように積極的に新しいチャレンジを行っています。コーポレートITエンジニアとして新しい知識を日々蓄えて成長できることは楽しく、そのうえで技術的な知識を活かして任天堂の業務に関わる人々を笑顔にし、さらにはお客様の笑顔にもつなげていけることが、この仕事の醍醐味だと感じています。

社員略歴

田中開発推進部/2014年入社
2014年「理工系(ソフトウェア)」入社。
入社以来一貫してコーポレートITエンジニアとしてコーポレートITシステムの設計・開発・保守を行う。
製造系基幹システム再構築を担当した後、現在はデジタル会計システムやデータ分析基盤のプロジェクトに携わる。
職種

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