どの様な時でも快適なPC環境をどの様な時でも快適なPC環境を

届いたPCをすぐに使えるように

私たちのチームでは、PCの購入、OS展開、トラブルサポートといった仕事をしています。「OS展開」という言葉は初めて聞く方が多いと思いますので、どのような仕事なのか説明しながら話を進めたいと思います。

ゲーム開発においては最先端のアプリケーションや技術が使われるので、任天堂では高スペックなPCが使われます。また、仕事上のニーズがあればどんなPCでも取り扱うのが私たちのポリシーなので、千差万別なPCが使われていて、そのようなPCが社内に何千台とあります。

さまざまなPCをそのままの状態で使おうとすると、メーカー、機種、時期によって設定やアプリケーションがバラバラになってしまいます。このままでも使えますが、ひとりひとりのPC環境が大きく異なると、トラブルが起きたときに原因の切り分けが難しくなります。そこで私たちのチームでは、PC環境をできるだけ揃えながら「OS展開」を行っています。OS展開とは、PCにOSやアプリケーションをインストールすることや、PCを安全に使うためにセキュリティの設定をすることを言います。

ところで、私たちの仕事にも繁忙期があります。新卒社員が入ってくると短期間で研修用のPCを用意しないといけませんし、そのあとも配属先に合わせてPCをカスタマイズする必要があります。また、ゲーム開発のスケジュールによっては、一度にたくさんのPCを用意しなければいけません。かつて、OS展開の仕事は1台1台、手作業で行っていました。しかし、繁忙期に手作業でOS展開を行っていては、とても間に合いません。

そこで、OS展開を自動化するツールを導入することにしました。はじめの頃は、手作業と併用するかたちでOS展開をしていました。しかし、次々と改善を重ねることで、現在はほぼ完全に自動化できるようになっています。

ですが、OS展開する仕組みを整えて同じPCを大量生産するだけでは、すぐに仕事を始められません。プログラマーやデザイナーなどの職種によって、さらには社員ひとりひとりによっても、使うアプリケーションが異なるためです。すぐに仕事を始めるためには、あらかじめアプリケーションをインストールした状態でPCを提供することが重要です。仕事に最も適したアプリケーションをその都度購入するので、アプリケーションの種類は数百以上に達します。私たちは、アプリケーションの提供もOS展開のように自動化してPC環境をスムーズに整えたいと考えました。そこで、ひとりひとりの社員がWebシステムにアクセスすると、用意されたアプリケーションの中から必要なものを選択でき、それがOS展開のときに自動でインストールされる仕組みを作りました。

このような仕組みは、その大部分を内製しています。その目的は、任天堂にフィットしたPCを、任天堂にフィットした仕組みで迅速に届けることです。過去には1日に10台ほどしかOS展開できなかったのですが、このような仕組みのおかげで、繁忙期に1日50台以上のPCが必要になったときにも、難なく作業をこなせるようになりました。

Webシステムから必要なアプリケーションを選択できる

お医者さんに似たような仕事

仕事を続けていると、予期せぬ事態が起こることもあります。その一例が、コロナ禍により働き方が大きく変わったことです。私たちのチームは、実際に物を扱う必要があるので、チームを班に分け、感染予防に徹しながら仕事を続けることにしました。

感染状況に応じて、業務内容によっては在宅勤務ができるように、在宅勤務用に大量のPCを手配し、OS展開をしたうえで、手元に届ける必要がありました。そのとき一番に求められたのは、スピード感でした。PCを手元に届けるのが遅れるようなことがあれば、ゲーム開発の遅延につながりかねないからです。そのような状況でしたが、OS展開の自動化を普段から準備してきたことが功を奏し、迅速に対応することができました。どんな状況においても、ゲーム開発者の手が止まらないPC環境を整えることに貢献できました。

また私たちのチームは、OS展開の仕事だけでなく、PCのトラブルサポートの仕事もしています。PCというものは、命令されたとおりにしか動きません。そのため、トラブルには必ず因果関係があります。その因果関係を正しく理解するには、PCやOSがどのように動いているのかに対する深い知識が必要です。このような知識を持つことで、なぜこの問題が起きたのか、トラブルの再発を防止するにはどうしたら良いのか、を考えることができます。ときには、トラブルが起きたときに記録されるログやダンプファイル(※)をもとに専門的なツールで原因を解析することもあります。PCの知識を総動員してトラブルの原因を導き出すのは、パズルを解くようで個人的にとても楽しい作業です。

※ダンプファイル・・・メモリやレジスタ・ファイル・ディスクなどの中身を丸ごと記録したファイルのこと

それに、一度トラブルが発生すると、似たようなトラブルが起こる傾向があります。そのため、過去のトラブルとその原因や解決方法をカルテのような仕組みに記録することで、問題解決に役立てています。このように、対象を深く理解し、問題を取り除き、記録を残すプロセスは、お医者さんの仕事に共通するところがあるかもしれません。

トラブルの内容をカルテのように記録している

このように、私たちは技術を活用しながら、社員の職種やひとりひとりの仕事にあったPCを提供し、メンテナンスしています。PCが快適に使えるようになったり、トラブルが解決したりすると、とても喜んでもらえます。社員ひとりひとりのPC環境がよくなると、お客様に楽しんでいただけるゲームやサービスにもつながっていきます。そういったところに、この仕事のやりがいを感じています。任天堂の製品開発の土台を作り、支えていくのが私たちの役目です。

社員略歴

平 勇樹技術開発部/2013年入社
2013年「理工系(ソフトウェア)」入社。
開発部門で使われるPCの準備やトラブルへの対応、ソフトウェアのライセンス管理や展開に携わる。業務で必要となるシステムやスクリプトの開発にも関わる。
職種

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