製品の品質・安全
任天堂は、お客様に安心して楽しんでいただける高品質な商品を提供することを目指し、製品の安全性と信頼性を追求しています。
製品安全方針
信頼性と安全性の確保が高品質のきめて
安全基準の設定
任天堂のゲーム専用機や周辺機器は、さまざまな年齢の方が使用されるため、一般的な電子機器に求められる安全性に加え、米国の消費者製品安全性改善法※1 などに規定される安全基準も総合的に配慮した独自の安全設計基準を設けて製品化しています。
※1 消費者製品安全性改善法
フタル酸エステル類や製品表面の鉛の使用などを規制する米国の法令。
製品安全保証の仕組み
任天堂(日本)では、経営会議の下に、執行役員である総務本部長を委員長とする「製品安全委員会」を設け、製品安全方針・品質方針の周知徹底を図るとともに、開発から生産、販売、アフターサービスに至るあらゆる段階で製品の安全性を確保するための仕組みを構築し、その効果的な運営・維持・改善に取り組んでいます。
製品の安全設計
製品の開発にあたっては、設計段階で安全性を確保するべく、開発部門が安全設計ルール※ に従って開発を行いますが、さらに多角的な視点による検証を目的として、営業、製造、品質保証、法務など複数部門からなる「安全設計審査委員会」による審議を行う場合があります。安全設計審査委員会は、取締役である技術開発本部長が任命する委員長のもと運営されています。
さらに生産に入る前に、試作品を用いて、火災、感電、けがにつながるおそれはないか、落としても簡単に壊れないか、電波法施行規則などの法令が守られているか、製品の難燃性(燃えにくさ)や有害化学物質の含有量などを評価します。社内に導入されたさまざまな装置を使用してこれらの試験を行い、要求される基準への適合性を確認するとともに、必要に応じて外部の試験機関へも検証を依頼しています。
※ 安全設計ルールの主な項目
強制規制
法令等に規定された公的安全規制を遵守しているかどうか
安全規格
さらに安全性を確保するため、強制規制に加え、遵守が望ましい安全規格を満たしているかどうか
安全設計標準
強制規制と安全規格に基づいて自主的に社内で作成した安全設計標準を満たしているかどうか
製品表示標準
製品に必要な表示(安全表示等)が示されているかどうか
安全情報や不具合などの周知
商品に関する安全情報や不具合などの情報は、任天堂ホームページなどで告知を行い、お客様への周知に努めています。
品質に関わる情報があれば、直ちに事実関係を確認し、お客様に対して正確な情報を迅速に提供する体制を整えています。
安全にご使用いただくための仕組み
Nintendo Switchファミリー(Nintendo Switch, Nintendo Switch(有機ELモデル), Nintendo Switch Lite)では、本体の「設定」メニューから「安全に使用するために」という説明をご確認いただくことができます。これはゲーム機をご使用いただくうえでの安全に関する情報をまとめたものです。なお、ウェブサイト にも掲載しています。
「安全に使用するために」の機能
人材育成と社内啓発活動
品質や安全性を確保するには人材育成と社内での啓発活動は欠かせません。任天堂(日本)では製品安全の重要性を社員が認識できるよう、ハードウェア開発者向けに製品安全に関する研修を行ったり安全設計に関する講習を行ったりしています。
設計・製造に関する経験や知識を盛り込んだガイドラインを作成し、ノウハウの共有を図っているほか、任天堂(日本)においてものづくりに直接関わらない社員を含む誰もが、開発者の過去の経験や知識を社内ポータルサイトからいつでも閲覧できる仕組みを構築し、運用しています。
安心して遊んでいただけるゲームソフトやサービス
お客様に安心して遊んでいただけるよう、ゲームソフトやサービスにおいて、安全性に配慮したゲームソフト開発やお子様の利用状況を保護者がみまもれる仕組みづくり、不適切なコンテンツの排除などに努めています。
安全性に配慮したゲームソフト開発
任天堂はゲームソフトなどを通じて、体を使ったゲーム機の操作や、ネットワークの活用など、常に新しい遊びかたを提供しています。安全にゲームソフトをお楽しみいただけるよう、開発時において守るべき基準や配慮すべき点を、ハード・ソフト両方の観点から定めたガイドラインを作成し、関連部門で共有するとともに適宜その内容の見直しも行っています。
また、これらのガイドラインに基づき、開発段階から複数部門でゲームソフトの安全性を確認する体制を構築しています。
ゲームソフトの年齢区分の表示
ゲームソフトは、実際に遊んでみないと、どのような表現が含まれているのかわからないことがあります。そのため任天堂は、世界各地で、法律やレーティング制度※1 に基づく年齢区分を商品パッケージやニンテンドーeショップ等の画面上に表示して、ゲームに含まれる表現内容に関する情報提供を行っています。
※1 レーティング制度
ゲームソフトの表現内容に応じた年齢区分を設定・表示する制度。任天堂のゲーム機で遊べる国内用ゲームソフトには、主にCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)の年齢区分マークを表示しています。一部のNintendo Switchダウンロードソフトは、IARC(International Age Rating Coalition)の評価による年齢区分を表示している場合があります。なお、年齢区分表示はゲームの難易度を示すものではありません。
任天堂のゲーム機で遊べるゲームソフトの年齢区分表示の詳細情報は、以下のサイトをご覧ください。https://www.nintendo.co.jp/support/rating/index.html
各国のレーティング制度については、「任天堂のCSRに関するQ&A:お客様との関わりについて 」をご覧ください。
「保護者による使用制限機能」
任天堂は、Nintendo Switchなどのゲーム機に「保護者による使用制限機能(ペアレンタルコントロール機能。Nintendo Switchでは『みまもり設定』と表示)」を導入しています。この機能を利用することによって、お子様のプレイできるソフトをレーティングに基づいてコントロールしたり、ほかのお客様との自由なコミュニケーションやニンテンドーeショップでのゲームの購入などの機能を制限したりすることができます。
Nintendo Switchではさらに、モバイル向けの無料アプリケーション『Nintendo みまもり Switch』と連動することで、遊んだソフトや時間を確認したり、1日に遊ぶ時間を設定したりすることができます。また、ニンテンドーeショップでの購入や閲覧を制限することも可能です。「みまもり設定」について、くわしくはこちらのページ (日本語)をご覧ください。
任天堂(日本)は、このような機能について、より広く保護者の方に情報をご提供するため、保護者の方向けのページ (日本語)をホームページ上に開設しました。そのほかにも、各国で以下のような取り組みを実施しています。
各国における「保護者による使用制限機能」の周知と利用促進の取り組みおよび実績(例)
任天堂(日本)
機能の周知を図るテレビCMの放映。
サポートサイトには、より簡単に利用方法をご理解いただけるよう、「Nintendo Switchをみまもろう」というコミック を掲載。
各都道府県のスクールサポーター※2 や教育関係者を対象にしたゲーム機の適切な使いかたに関するフォーラムや青少年のインターネットリテラシー向上を目的としたフォーラムへの参加。
インターネット・スマートフォン等の適切な使用に関する公的な啓発リーフレット等作成について、内閣府や業界団体への協力。
米国任天堂
子ども向けのニンテンドーアカウントの作成方法や「保護者による使用制限機能」の使いかたのほか、ゲームをオンラインで安全に遊ぶためのヒントなどを掲載した保護者向けの専用サイト を提供。
欧州任天堂(ドイツ)
USK (Unterhaltungssoftware Selbstkontrolle)※3 から青少年保護に積極的に取り組む信頼できるコンテンツを提供する企業として認定。
※2 スクールサポーター
学校と警察をつなぐ役割として退職された警察官や教員を学校に派遣するスクールサポーター制度のもと、小学校や中学校を訪れ、専門的な知識や経験を活かして教員の相談を受けたり助言したりしている担当者。
※3 USK (Unterhaltungssoftware Selbstkontrolle)
ドイツ国内でゲームソフトの対象年齢区分を担当している自主規制機関。欧州任天堂(ドイツ)はUSKに依頼し、自社のオンラインサービスについて青少年保護法の観点から懸念がないか審査を受けている。
コミュニケーション機能における不適切なコンテンツの排除
任天堂のゲームソフトの中には、通信機能の活用により、プレイヤーが作成した画像、テキストなどのコンテンツ(UGC:User-Generated Content)をほかのプレイヤーと共有できるものがあります。自由な表現を用いた発展的なコミュニケーションが可能な一方、まれに一部のプレイヤーによる不適切なコンテンツが紛れ込み、ほかのプレイヤーが不快な思いをすることがあります。
任天堂のゲームソフトのうち、インターネットを通じてほかのプレイヤーとの交流やコンテンツの共有が可能なゲームソフトでは、不適切なコンテンツを排除するため、ゲーム内での注意喚起を行ったり、NGワードフィルターやプレイヤーが不適切なコンテンツを発見した際に使用できるゲーム内の通報機能を導入したりしているものがあります。通報により問題ありと判断された場合、コンテンツの削除や、不適切な投稿を行ったプレイヤーに対するサービスの利用停止等の措置が講じられる場合があります。なお、NGワードフィルターは必要に応じて更新しています。
任天堂では、プレイヤーの皆様とともに健全なオンラインプレイ環境を維持することがとても重要なことだと考えているため、利用規約の中に関連する規定を置いています。地域によっては「オンラインプレイに関するコミュニティガイドライン」を設けています。また、お客様へのお願いとしてサポートサイトに「オンラインプレイで楽しく遊ぶためにお願いしたいこと 」(日本語)を掲載しています。
わかりやすさ・使いやすさの追求
任天堂は、世界中のさまざまなお客様に、お楽しみいただける商品やサービスを提供することに挑戦しています。ゲームソフトの開発においても、どの地域のお客様にもわかりやすく気軽に楽しめる内容になるよう、各国担当者がグローバルに連携しています。
直感的に理解していただくための工夫
心地よくゲームの世界に入っていただくためには、わかりやすさが不可欠です。直感的に遊びかたをご理解いただけるよう、操作方法をシンプルにするなどさまざまな工夫をしています。
誰にとっても使いやすいデザインや機能の追求
さまざまなお客様がそれぞれにゲームを楽しんでいただけるように、デザイン面や機能面でも工夫をしています。また、お客様の声を開発部門と共有し、できるだけ新製品に反映するように努めています。
Nintendo Switchの事例
Nintendo SwitchのHOMEボタンをすばやく2回押すと、画面をズームすることができます※1 。その状態でXボタンを押すと、さらに画面を拡大することができます。また、携帯モードで使用中は、HOMEボタンをすばやく2回押したあとに画面をピンチアウト(画面に2本の指で触れ、広げる動作)することによっても画面を拡大することが可能です。
ほかにも、コントローラーのボタンの割り当てを変更できる機能を搭載しています。
※1
「画面のズーム」機能は、標準ではOFFになっているため、利用する場合は設定をONにする必要があります。
『マリオカート8 デラックス』の事例
Nintendo Switch用のゲームソフト『マリオカート8 デラックス』は、「ハンドルアシスト機能」を搭載しています。これは、操作中のカートがコースを外れないように自動的にハンドル操作を補助する機能で、自由にON/OFFを切り替えることができます。このようにゲームソフトにおいても、過去のゲーム経験が少ないお客様をはじめ、さまざまなお客様にお楽しみいただけるように工夫しています。
お客様サポート
任天堂は、一人ひとりのお客様を大切にするため、お客様からのさまざまなお問い合わせやご要望にお応えする窓口を設けています。また、いただいたお客様の声を社内の関連部門で共有し、日々の業務に活かすように努めています。
お客様サポートの仕組み
日本国内では、ご相談内容に合わせた3つの電話窓口を設けているほか、メールによるお問い合わせ対応や、専用オンライン窓口を通じたご意見の受け付けを行っています。そのうえで、いただいたお客様の声を新製品の開発、サービスの向上などに活かすため、社内の関連部門で共有する仕組みを整えています。お客様の声を励みに社員一人ひとりのモチベーション向上につなげるため、お客様から頂戴した感謝やお褒めの言葉は、別途「サンクスコール」という形で、社内で共有しています。
また、ウェブサイト上の サポートページ に製品やサービスに関する情報を掲載し、お客様がご自身でも解決できるようにサポートしています。任天堂サポートの 公式Twitterアカウント(日本語) でもサポート情報を発信しています。
海外においても国内と同様の対応窓口を設置し、各地域の言語によるサポートを提供しています。
顧客プライバシー
任天堂は、お客様のプライバシーを尊重し、お客様の情報を大切に保護することを重大な責務と考えています。
お客様からご提供いただく情報には、主に、お客様にネットワークサービス等をご提供する際に取得した情報や、お客様から修理品をお預かりした際のご連絡先の情報などがあります。こうした情報を取得する際には、サービスのプライバシーポリシー等においてその利用目的を明示するとともに、取得した情報を社内規程に従って適切に管理しています。また、情報の取り扱いにあたっては、適用される法令、規範を遵守するとともに、社内の体制を適宜見直し、改善しています。また、お客様からのお問い合わせを受け付ける窓口を設けて対応しています。