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2008年4月25日(金)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文
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本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。


まず、第68期の実績についてお話しします。


第68期、2008年3月期の連結業績を前期比較と共にご説明いたします。
当期の売上高は1兆6,724億円で、前期に比べ73.0%増加しました。特に、海外での伸びが大きく、海外売上高は1兆3,479億円と、海外売上高比率は80.6%になりました。
また、営業利益は4,872億円となり、前期に比べ115.6%増加しました。
経常利益は、期末為替相場が1ドル100.19円、1ユーロ158.19円と、前期末よりドル安円高となったことで923億円の為替差損が発生したことなどの影響を受け、増加率が52.6%の4,408億円となりました。
当期純利益は、主に経常利益が増加したことにより、前期より47.7%増加し、2,573億円となりました。これら全ての数字は、過去最高となっています。


1月に業績予想を見直した時点での主要なハード・ソフトの出荷予想と、出荷実績の差異についてご説明します。
ニンテンドーDSハードの出荷数は、予想に対して81万台増え、3,031万台となりました。これは、当社の歴史の中で、単年度のハードの出荷数としては最大数になります。また、ニンテンドーDSソフトに関しては、予想に対して662万本増え、1億8,562万本となりました。こちらについても、1つのプラットフォームの単年度のソフト出荷本数としては最大となっています。
Wiiのハードに関しては、予想を若干超え、1,861万台となりました。Wiiのソフトに関しては、予想に対して460万本増え、1億1,960万本となりました。


次に、第68期の実績を、1月に修正した業績予想と比較しますと、売上高は、1月時点の予想1兆6,300億円に対し、1兆6,724億円となりました。
また、営業利益は予想の4,600億円に対して増加し、4,872億円となりました。
経常利益は、期末為替相場が1月の業績予想時以降に急激にドル安円高となり見込み以上の為替差損が発生したことなどで、予想の4,600億円に対して、4,408億円と未達となりました。これに伴い、当期純利益も、主に経常利益が減少したことにより、予想の2,750億円に対し、2,573億円となりました。
ここで、「この3月にかけて急激な円高が進行したにも関わらず、1月の業績予想に対する売上の伸びに対して、営業利益の伸びが大き過ぎるのではないか?」という疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。これは、当社がドルによる仕入れの割合を増やしたことや、ヨーロッパでの販売が増えたことなどから、以前に比べてドル為替レートの変動による影響が軽減されていることが影響しています。
また、日本で1月、アメリカで3月に発売した『大乱闘スマッシュブラザーズX』を除き、年明け以降に大きな販売数を予定しているソフトはありませんでしたが、『スマッシュブラザーズ』が想定以上の強いスタートとなったほか、自社の既存ソフト、ソフトメーカーさんのソフトなどが想定以上に推移、1月の業績予想時の想定と比べ、 ハードの販売増は92万台でしたが、ソフト販売数は1,100万本以上増えました。
このように、ハードよりも利益率の高いソフト中心に売上が伸びましたが、固定経費は業績予想時の見込みよりも若干抑えることができたため、売上の増加の割に営業利益の増加額が大きくなったという背景があります。


第68期の配当についてですが、当社は、連結営業利益の33%または連結配当性向50%の高い方を選択して配当総額を決める配当方針を掲げております。 これは、為替が円高方向に振れて為替差損が発生した場合にも、本業が好調であれば、配当額が減ることのないようにするためのものです。
当期は、為替差損が発生した関係で、連結営業利益の33%を選択した方が配当額が高くなりますので、これに基づき、1株あたり前年に対し570円増配となる、1,260円の年間配当となります。
既に140円の中間配当をお支払いしておりますので、期末配当は1株あたり1,120円となります。これを今期の株主総会でお諮りし、総会で決議の上でお支払いしたいと考えています。


さて、引き続き、今期の業績予想についてお話ししたいと思います。


主要ハード・ソフトの予測についてですが、今期のニンテンドーDSハードは、2,800万台、ソフトは1億8700万本を予測しております。
また、Wiiについては、ハードが2,500万台、ソフトは1億7,700万本を予測しております。これを実現するため、Wiiについては、7月には月産240万台の体制を構築するべく、増産の準備を進めております。


これに基づきまして、当期の業績予想は、売上高1兆8,000億円で営業利益は5,300億円を見込んでおります。
経常利益は、想定為替レートを1ドル100円、1ユーロ155円と、前期末より円高に見込んでおり、経常利益の予想としては5,500億円を見込んでいます。これにより、当期純利益は、3,250億円を見込んでいます。


また、配当についてですが、第69期、2009年3月期は、想定為替レートにおいて、連結営業利益の33%によって計算した配当の方が高くなりますので、これに基づき、1株あたり当期に対して110円増配となる年間配当1,370円を予想しております。


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