自分のイラストが世界に届く

きっかけは『ARMS』のアイデアスケッチ

両親の話によると、幼い頃の私は、画用紙かスケッチブックを渡しさえすれば、とりあえずおとなしくなる子どもだったようです。それくらい小さい頃から絵を描くことが好きでした。高校2年になるまではマンガ雑誌で印象に残ったシーンを真似て描くような、お遊びで楽しむ程度だったのですが、高校卒業後の進路を決めることになり、美大に進みたいと考えた私は、画塾に通って本格的にデッサンの勉強をはじめることになったのです。

amiibo

美大に合格し、グラフィックデザインを学んだあと、いくつかの会社を受けるなかで、任天堂で働くことになりました。配属されたのはアートワークのグループで、そこでは3Dロゴを作ったり、汎用性のあるイラスト素材を作ったりしていたのですが、あるとき人差し指で帽子をあげているルイージのイラストを描いてみたのです。すると、それがamiiboに採用されることになったんですね。amiiboの監修の仕事には、以前から関わってきましたが、自分が描いたイラストからamiiboが生まれたのは初めての経験で、とても嬉しかったです。

『ARMS』初期スケッチの一例

amiiboの制作や監修業務を2、3年ほどしていた頃、アートワークグループに、Nintendo Switchで発売されることになる『ARMS』のアイデアスケッチの協力依頼がありました。開発の初期の頃のことで情報が少なく、腕がバネのように伸びる仕様すら決まってない段階だったのですが、私はアイデアスケッチをいくつか提案してみることにしました。9割5分くらいは妄想で描くしかありませんでしたが、結果的に上司が私の描いた絵を見て『ARMS』のゲーム性に相性がよさそうだと判断し、『ARMS』のイラストを任されることになったのです。

活きてきたamiibo監修の仕事

『ARMS』の公式イラストを描く仕事は、開発中はもちろん、ゲームの発売後も続いたのですが、とても貴重な経験を得ることができました。自分の描いた絵が、パッケージやPOPになって店頭に並べられたり、大きな駅貼りポスターになっていたりするのを見ると、言葉にできないくらい嬉しかったのです。しかもそれは国内に限った話ではなく、E3(Electronic Entertainment Expoの略で、年に一度、米国で開催されるコンピューターゲーム関連の見本市)のような海外での大きなイベントの壁面に巨大なイラストが掲げられたりしましたし、自分が描いたイラストが世界に届いているということを想像しただけでもゾクゾクするような体験になりました。

『ARMS』の公式イラスト

もちろん公式イラストは、世界中から注目していただけるだけに、それに負けないようなクオリティが求められるのですが、たとえばamiiboの監修のような仕事も、スキルの向上に役に立ちました。そもそもamiiboのような立体物を作るときは、そのキャラクター性をしっかり理解していないと、なかなかいいものを作ることができないんですね。その経験もあって、『ARMS』のときは新しいキャラクターでありながらも、その背景にあるものを考えながら絵を描くようにしていましたし、何よりこの会社では、開発現場のすぐそばで絵が描けるので、良いイラストの仕事ができる環境に恵まれていると感じています。

社員略歴

山本 悠企画制作部/2012年 入社
2012年「デザイン系」入社。Wii U『進め!キノピオ隊長』(2014年)、Nintendo Switch『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(2018年)や『amiibo』シリーズをはじめとして、さまざまなタイトルのキャラクターやプロダクト制作に携わる。Nintendo Switch『ARMS』(2017年)では、パッケージや広告のイラスト制作全般を担当。
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