でもさ、これまでの話を総合すると、
宮本さんは下っ端のときから
責任感という意味でいえば、
それこそ命がけだったっていうことでしょ。

そうだと思いますよ、けっこう。

つまり、宮本さんって、昔っから
視点はつねに経営者だったんですよ。

そうだねぇ。
それは、なに？ なんで？

うーん・・・。

強烈な当事者意識を
当たり前に持ってたんだろうね。
自分がやってるんだ、って。

うーん、だから、さかのぼっていくと、
ぼくは、やっぱり、
「漫画家になりたかった」っていうのが
原点にあるんだと思います。

・・・漫画家。

うん。
漫画家になりたいっていうことは、
自分の描いた漫画がどれだけ通用するか、
っていうことでしょ。

ああ、だから、
どれぐらいの人に支持されるかっていうことが、
自分の仕事として直結するというか。
それはゲームつくるうえでも同じことで。

「ウケるか、ウケないかは、すべて自分次第」
っていう部分での強い覚悟が
最初からあったっていうことですね。

当たり前だったんでしょうね。

はーー、それは、なんか、
腑に落ちる感じがする。

そうですね。

最後に、自分のハンコが押されるというか、
「作・手塚治虫」みたいに
自分の責任が発生するっていう意識が
あるっていうことだよね。
「作・宮本茂」の意識が。

そうですねぇ。