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もうひとつの大きな変化は、ゲーム機の1世帯あたりのユーザー数が増えたことです。
これは、私達の独自の調査の数値なのですが、据置型のゲーム機では、1世帯あたりのユーザー数は、通常、2.2〜2.8くらいとなります。任天堂のゲーム機は、マリオパーティやマリオカート、スマッシュブラザーズなどの代表的なゲームが4人で遊べることもあり、1世帯あたりのユーザーはこの中では高めになります。
一方、 携帯型ゲーム機では、1世帯あたりのユーザー数は、歴史的に2.0前後でした。一般的に、携帯型ゲームはこれまでは、1世帯あたり、据置型以下のユーザー数しか獲得できていなかったわけです。
しかし、DSの最新の調査では、この数字が3.0に到達していることが明らかになりました。
この調査には、一人暮らしの方の世帯も多く含まれていることを考えると、平均が3.0になるためには、4人以上の世帯で、家族全員がDSを遊んでくださる家庭が非常に多く存在しているということになります。
日本においてDS市場が活性化していることには、この「1世帯あたりのユーザー数が増えたこと」が大きく寄与していると私達は考えています。
ですから、「1世帯当たりのユーザー数が多いこと」は、任天堂の目指す「ゲーム人口拡大」が達成されているかどうかを示す有効な指標となるわけです。
さて、それでは、「ゲーム人口拡大」という、携帯型ゲーム機DSと同じミッションを持つ据置型ゲーム機であるWiiに何が求められるのでしょうか?
細切れの時間さえあれば、場所を選ばずゲームを楽しめる携帯型ゲームと異なり、据置型ゲームはテレビの前でしか楽しめないため、Wiiにおけるゲーム人口拡大は、DS以上に困難になると私達は考えています。
今現在、ビデオゲームを遊んでおられない方は、ビデオゲームに興味はほとんどお持ちでないと考えられますから、普通の宣伝方法では、そもそも新しいゲーム機の宣伝に注意を払っていただくことさえ容易ではありません。DSの場合には、面白さを感じたお客様がいろいろな場所にお持ちいただいて、出会った周囲の方々にDSを見せていただいたことで魅力が伝わり、それが普及の大きな後押しとなりました。ビデオゲームに興味はなく、我々の宣伝に注意を払っていただくことはないとしても、友達がDSに触れて感動したストーリーなら聞いてくれます。これが、ゲームに興味をお持ちでない方々にDSの魅力を理解していただくことを可能にし、最終的に多くの新しいお客様に受け入れていただくことができた構造だったわけですが、持ち運ぶことのできないWiiのような据置型ゲーム機では、DSのような形で魅力が伝わっていくことは期待できません。
ですから、いくら、私達がDSと同じように「ゲーム人口拡大」を目指し、「年齢、性別、ゲーム経験の有無を問わず誰でも楽しめるようにする」という方針でWiiを開発したとしても、そして、その方針でここまでDSが普及したという事実があっても、それだけではWiiの普及を100%保証できるわけではない、と私達は考えています。
そのため、新たな試みが必要になることは、初めから明らかでした。

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