インタビュー

社長が訊く『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』
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特別篇:糸井さんとのクリエイティブの雑談。

任天堂の岩田です。
2011年の年末に、宮本さんの手がけた作品が
3本つづけてリリースされるということで、
ひさびさに旧知の3人が集まって話しました。
今回は、ゲーム内容の紹介ではなくて、
クリエイティブに向き合う姿勢がテーマとなり、
わたしがぜんぜん訊かなくても話がどんどん弾み、
「社長が訊く」というよりは
「社長が黙って聞く」状態でした。
 
この日は、久しぶりに
→ほぼ日刊イトイ新聞の永田さんに
構成をお願いしたのですが、
分量たっぷりの濃い話になりましたので、
永田さんが小分けにして並べてくれました。
もちろん、順番どおりに読んでもいいですけど、
とても長い話になりましたので、
タイトルに興味が湧いたところから
適当につまんで読んでもおもしろいと思います。

1. はじめに

岩田

今日は機会をいただきまして、ありがとうございます。

糸井

いえいえ、こちらこそ。

岩田

まずは今日、こうして3人で話すことにした
経緯をご説明しますね。
じつは今年は、宮本さんにとって
ちょっと特別な年なんです。
まず、『ゼルダ』が25周年。

糸井

たしか、去年は『マリオ』が・・・。

岩田

そうなんです、去年は『マリオ』が25周年で、
今年は『ゼルダ』が25周年。
というのも、そもそも
『マリオ』と『ゼルダ』の初代ファミコン版は、
宮本さんはほとんど同時につくっていて、
最初の『マリオ』が出てから
最初の『ゼルダ』が出るまで半年も経ってないんですよ。

糸井

うわ。

宮本

(笑)

岩田

いまから考えると、
超ありえないようなスケジュールで
両方のソフトが進行していて、
ほとんど同時期にできたものなんです。
というわけで、必然的に
去年が『マリオ』の25周年、
今年が『ゼルダ』の25周年になったわけですが、
今年は、任天堂は有力タイトルが
年末に過剰に重なってしまいまして。

糸井

はい、はい。

岩田

Wiiでは、
『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』が
発売されます。

糸井

新作ですね。

岩田

ええ。据え置き用では
5年ぶりの新作となる『ゼルダ』です。

糸井

おお。

岩田

ニンテンドー3DSでは
『スーパーマリオ 3Dランド』という
新作アクションゲームがリリースされまして、
さらに『マリオカート7』という、
3DS用の『マリオカート』が発売されます。

糸井

うん。

岩田

これら3本のソフトすべてが
30日に満たない期間に3本、
この年末に立て続けに発売されるという状況になっていて、
宮本さんは、それらの最後の仕上げの作業を
いま、ちょうど終えたところなんです。

宮本

はい(笑)。

糸井

ゴールテープを切ったところなんですね。

岩田

ええ、その直後なんです(笑)。

宮本

はぁー。

糸井

ほんとにいま、本気で、はぁーって言ったね。

宮本

いや、もうほんとに、ほっとしてます。

岩田

(笑)

糸井

そうだろうなぁ。

岩田

で、その、ゴールイン直後の宮本さんと
糸井さんが会ったら、
絶対おもしろい話が聞けるはずだというのが
今回のわたしの思惑なんです。

糸井

はい、よくわかりました(笑)。

岩田

あとは、わたしひとりでは訊けないようなことを、
糸井さんと一緒なら訊けそうな気がするという、
そういう目的もあったりします。

糸井

つまり、岩田さんと宮本さんは
しょっちゅう話をしてるわけだから、
いつもの話とは重ならない言葉を聞きたいんですね。

岩田

そうなんです。

糸井

よし! わっかりましたぁ。