職種紹介

任天堂サウンドが大切にしていること

インタラクティブなサウンド

任天堂は、ゲームサウンドの醍醐味ともいえる、インタラクティブなサウンド表現に着目して取り組んできました。
その中からいくつかご紹介します。

インタラクティブな音楽

1本のゲームの中には、ゲームのステージや状況にあわせた音楽がたくさんつまっています。
通常はその中からそれぞれの場面にふさわしい音楽が流れ、状況が変わればまた別の音楽に切り替わるようになっていますが、時には、ある場面で音楽が流れている最中に、ゲームの状況やプレイヤーの行動にあわせて、音楽そのものを即座に変化させることもあります。
そうすることで、プレイヤーの心情、楽しさ・気持ち良さ・緊張感に直接的に寄り添ったサウンド表現を作ることができます。

『マリオカート8 デラックス』では、イケイケトラックと呼ばれるリズムトラックがコースBGMに追加される仕組みを用意しています。
プレイヤーの順位が1位になって、2位との差が徐々に開いてくると、それに応じてイケイケトラックの音量が上がっていきます。
逆に、こうらが当たってプレイヤーの順位が1位から2位に下がるとイケイケトラックがぴたっと止まります。
こうした仕組みを用意することで、プレイヤーが1位で走っているときのうれしい気持ちを盛り上げるようにしています。

Nintendo Switchソフト
『マリオカート8 デラックス』より

『1-2-Switch』の「皿まわし」では、まわしている皿が不安定になって揺れだすと、皿の揺れ具合に合わせてBGMを揺れるように変化させることで、プレイヤーの緊張を高めるような仕組みを用意しています。

Nintendo Switchソフト『1-2-Switch』より

インタラクティブな効果音

プレイヤーの操作やゲーム内の状況にあわせて鳴らされる効果音は、そのものがインタラクションであるとも言えますが、その中にも、再生されるたびに変化するようなインタラクティブな仕組みを使った効果音があります。

Nintendo Switchソフト
『スーパーマリオ オデッセイ』より

BGMのコードやスケールにあわせて効果音の音階を変化させることで、BGMと効果音が一体となった、より音楽的なアプローチをとることもできます。
『スーパーマリオ オデッセイ』では、キャプチャーしたシマハナチャンが伸びるときの効果音をBGMのスケールにあわせて上昇させることで、プレイヤーにわかりやすく手応えを伝えるようにしています。

サウンドにあわせてゲームが変化する例

音楽や効果音そのものが変化するだけではなく、サウンドにあわせてゲームに変化を起こすことで、遊びの幅を広げたり、グラフィックとも一体となった演出を作り出したりすることができます。

『スプラトゥーン2』では、BGMのリズムに合わせてキャラクター・エフェクト・ライトなどを動かすことで、より没入感の高い演出を作り出しています。

Nintendo Switchソフト『スプラトゥーン2』より

「New スーパーマリオ」シリーズでは、ステージのBGMにあわせてクリボーなどの敵キャラクターがピョンとジャンプする仕組みがあります。
この場合では、音楽にあわせて敵の動きが変化することで、ゲームプレイそのものの幅を広げる効果もあります。

音の視点からゲームを面白くする

サウンドスタッフの主な業務は、楽曲制作、効果音制作、サウンドプログラムですが、それだけにとどまらず、音を専門に担当するスタッフならではの視点で、どうすればゲームをより面白く魅力的なものにできるかを考えることも大切にしています。

『Splatoon(スプラトゥーン)』開発中に、開発スタッフに対してミニゲームの企画募集があり、サウンドスタッフが試作を用意して「イカラジオ」を提案し、採用されました。
『スプラトゥーン2』でも「イカラジオ2」のミニゲームがあります。

Nintendo Switchソフト『スプラトゥーン2』より

『スーパーマリオ オデッセイ』では、ミュージシャンを探して集めるという遊びをサウンドスタッフが提案し、ミュージシャンの人数が増えるとBGMの楽器パートが増えるような仕組みを用意しました。

Nintendo Switchソフト
『スーパーマリオ オデッセイ』より

サウンドスタッフの仕事現場

ゲームは基本的にチームで制作します。
一つのプロジェクトに対して、コンポーザー・サウンドプログラマーあわせて2名以上でサウンドを担当することが一般的です。
よいゲームサウンドを作るためには、チームのメンバーとしっかりコミュニケーションをとりながら、そのゲームの目指しているものを理解することが必要です。
また、サウンドスタッフ間でもイメージを共有したり、お互いにやりたいことを具体的に説明したりするといったコミュニケーションがとても重要です。

任天堂のサウンド制作では、楽曲制作、効果音制作、サウンドプログラムが一体となって、それぞれのゲームにマッチするサウンドを作り上げ、サウンドからゲームの魅力を高めることをいつも心がけています。
サウンドプログラマーが全体のサウンドデザインや音楽の方向性を提案したり、コンポーザーがインタラクティブなサウンド表現を設計したりと、それぞれの専門分野に関わらず、自由に意見交換や提案を行いながら制作しています。
楽曲制作、効果音制作、サウンドプログラムの各業務で求められる経験や能力が異なる点もありますが、音楽や音による表現に強い興味や関心を持っている人なら、きっとゲームサウンド制作の仕事を一緒に楽しんでいただけると思います。