職種紹介

デザイナーの仕事カットシーンデザイン

カットシーンとは?

カットシーンとは、ゲームプレイの合間に挿入される映像で、オープニングやエンディング、物語の転換点などに登場します。
ゲームに物語としての命を吹き込み、お客様の体験を盛り上げ、目的地へと導く役割を担っています。
また、ムービーとしての見ごたえとゲームの面白さを最大化することを意識して、演出・設計・制作しています。

カットシーンの制作工程

絵コンテ制作

ゲームのシナリオに沿って、カットシーンの設計図となる絵コンテを制作します。
シーンの流れや演出の意図を明確にするための重要な工程です。

絵コンテ例

プリビズ制作

プリビズは、完成後のカットシーンがどのような表現になるかを事前に確認するためのものです。
状況が分かりやすいカメラワーク、没入感を高める演出など、ゲームならではの見せ方を工夫します。

仮モデルを使ったプリビズ例

※ キャラクターやステージなどのモデルはそれぞれの担当デザイナーが制作したものを使用します。

アニメーション制作

絵コンテとプリビズをもとに、3DCGツールを使ってアニメーションとカメラワークを制作します。
ゲーム中の設定やイメージと整合性を取りながら、より良いシーンに仕上げるために試行錯誤を重ねます。

本番モデルを使ったアニメーション例

各職種との協働・調整と仕上げ

カットシーンは、プランナー、プログラマー、エフェクト、サウンドなど、さまざまな職種が連携して完成させます。
細かなやりとりを何度も繰り返し、それぞれの要素を融合させて、ひとつの完成されたカットシーンを作り上げます。

すべて載った完成例

カットシーンの役割

ゲームにおけるカットシーンの役割は、大きく以下の2つです。
・目的や状況を分かりやすく伝える
・ゲーム体験を盛り上げる

目的や状況を分かりやすく伝える

ゲームの進行に必要な情報を、直感的に伝えるための演出を施しています。

例:『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』では、「禍々しい巨大な影と城」、「その城で輝く光と声」を見せることで、現在の状況と目指すべき場所を同時に伝えています。

ゲーム体験を盛り上げる

カットシーンでは、ゲームプレイ中では語りきれないストーリーやキャラクターの個性、特別な景色などを表現できます。

例:同じく『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』では、仲間たちの回想シーンを通じて、主人公が背負う宿命や仲間の想いを描いています。

カットシーンデザインで大切にしていること

カットシーンは、ゲームプレイの一部として体験されるものです。
そのため、お客様の操作感や流れを途切れさせず、スムーズに繋がることを重視しています。

事例① 「ゲームプレイとスムーズに繋いで手ごたえを生み出す」

ボス戦では、戦う前に緊張感を高め、勝利後には達成感を感じられるように演出します。
迫力ある登場シーンから、自然にゲームプレイへ移行するカメラワークを工夫しています。

ボスを倒したことがはっきり伝わる演出によって、プレイの手ごたえや達成感を高めます。

事例② 「ゲームプレイ感覚のままカットシーンへ」

『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』では、横スクロールのゲームプレイに合わせて、カットシーンも横スクロールのカメラレイアウトにしています。
これにより、カットシーンもゲームの一部として自然に体験できます。

任天堂ではたらくカットシーンデザイナーに求められること

ここまでご覧になって、任天堂のカットシーンデザイナーを目指したいと思われた方へ。
カットシーンは、物語を伝え、ゲーム体験を盛り上げ、目的を示唆する重要な役割を担います。

また、絵コンテの考案からカットシーンを仕上げ、完成まで導いていくためにも、
・ゲームやユーザー体験への理解
・それを演出する力
が必要となります。

映像制作の経験があり、ゲーム作りに関心と意欲がある方はカットシーンデザイナーに向いていると思います。

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